Shopifyは世界180カ国以上で利用される、完成度の高いECプラットフォームです。日本法人も設立されており、管理画面・サポート・ヘルプドキュメントはすべて日本語で利用できます。
テーマ・アプリエコシステムの豊富さ、スケーラビリティ、決済の安定性など、総合的な完成度は他サービスと比較しても頭一つ抜けています。
ただ、ビジネスの規模・業態・優先事項によっては、特定の点でShopifyに「惜しい」と感じる場面があるのも事実 です。
この記事では、Shopifyの具体的な弱点をトピック別に整理し、それぞれをカバーできる代替プラットフォームを紹介します。
実際に僕が導入したりサポートをしたクライアント様の意見も取り入れています。
まず知っておきたい:Shopifyの全体像
Shopifyの料金プランは主に以下の3つです(年払い・2025年時点)。
| プラン | 月額 | 取引手数料(外部決済) | クレジット手数料(Shopifyペイメント) |
|---|---|---|---|
| Basic | 約4,850円 | 2% | 3.25% |
| Grow | 約13,500円 | 1% | 3.15% |
| Advanced | 約66,000円 | 0.5% | 3.00% |
初期費用は不要で、商品数・訪問者数に制限はありません。Shopifyペイメントを利用すれば取引手数料は0円になります。この土台の完成度は高く、多くのケースでShopifyのままで十分です。
以下は「それでも気になる」という方向けのトピック別比較です。
Shopifyの弱点:5つのトピック別に整理
① アプリ追加によるコストの積み上がり

Shopifyの強みでもあるアプリエコシステムですが、裏を返せば「標準機能だけでは足りない」機能が多いということでもあります。
定期購買・同梱・ポイントプログラム・詳細な在庫管理・レビュー収集など、日本のEC運営で当たり前とされる機能の多くは、月額課金のアプリで対応する必要があります。
月に$50〜$200程度のアプリ代がじわじわと積み上がり、「月額プランは安いはずなのに、気づいたらコストが高くなっていた」という状況になりやすい です。
最近ではShopify自体が標準機能として無料アプリを多く追加していますが、それでも 細かい機能にこだわるとどうしても有料アプリが必要になってしまうケースが多いです。
② ブログ・コンテンツ機能の弱さ

Shopifyにはブログ機能が内蔵されていますが、WordPressと比べると機能は最低限です。カテゴリー階層・タグの柔軟な管理・記事内のリッチな構造化・著者ページなど、SEOを本格的に活用したいケースでは力不足を感じます。
「コンテンツマーケティングでオーガニック集客も強化したい」という事業者にとって、Shopifyのブログはサブツール止まり になりやすいです。
Shopifyテーマによってはブログ機能も最適化されているものもあるので、これはテーマによって左右されます。
③ URL構造のSEO制約
Shopifyのページ構造は一部が固定されており、商品ページのURLは必ず/products/、コレクションは/collections/という形式になります。また、/collections/[collection]/products/[product]のような階層URLは、正規URLとして扱われないケースがあります。
細かい点ですが、SEOを深く作り込みたい担当者にとっては「痒いところに手が届かない」と感じることがあります。
④ B2B・卸売機能の限界
BtoB販売(法人向け・卸売)をShopifyで行う場合、顧客グループ別の価格設定・見積もり機能・請求書払い対応は、標準機能だけでは対応しきれません。Shopify Plusであれば一部対応できますが、月額$2,300〜というコストは中小規模の事業者には現実的ではありません。
⑤ 定期購読・サブスクリプション
定期便・サブスクリプションボックスなど、日本のEC市場で特に人気の定期購読モデルは、Shopify標準では非対応 です。RechargeやBold Subscriptionsなど外部アプリが必要で、月額$99〜$499程度のコストが加算されます。
トピック別:代替サービスの比較
① アプリコストを下げたい → makeshop または カラーミーショップ
Shopifyのアプリ代が積み上がっていると感じている場合、日本のASP型ECサービスへの移行を検討する価値があります。
makeshop(GMOメイクショップ)は、ASP型ECとして国内年間流通額13年連続1位の実績を持つサービスです。定期購買・まとめ買い割引・クーポン・メルマガ配信・レビュー収集など、Shopifyでアプリが必要な機能の多くが月額費用に含まれています。販売手数料も0円です。
カラーミーショップ(GMOペパボ)はmakeshopより低コストでスタートでき、無料プランから段階的にプランアップできます。こちらも取引手数料が0円で、必要な機能が標準で揃っています。
| Shopify (Basic) | makeshop | カラーミーショップ(ラージ) | |
|---|---|---|---|
| 月額 | 約4,850円 | 13,750円 | 3,300円 |
| 取引手数料 | 2%(外部決済) | 0% | 0% |
| 定期購買 | アプリ(月$99〜) | 標準搭載 | 標準搭載 |
| メルマガ配信 | アプリ必要 | 標準搭載 | 標準搭載 |
| 日本語サポート | ◎ | ◎ | ◎ |
makeshopは月額が高く見えますが、Shopify+複数アプリのトータルコストと比較すると逆転するケースが多いです。月商の規模と利用中のアプリを棚卸しして計算してみることをおすすめします。
② SEO・コンテンツマーケティングを強化したい → WooCommerce
本格的なコンテンツマーケティングを組み込みたい、URLを自由に設計したい、という場合はWordPressベースのWooCommerceが最も自由度の高い選択肢です。
WordPressはCMS(コンテンツ管理システム)として20年以上の実績を持ち、SEOプラグイン(Yoast SEO、Rank Mathなど)・ブログ機能・カテゴリー設計・構造化データなど、SEOに関するあらゆる設定を自分でコントロールできます。
| Shopify | WooCommerce | |
|---|---|---|
| URL構造 | 一部固定 | 完全自由 |
| ブログ機能 | 最低限 | WordPress標準(高機能) |
| SEOプラグイン | 限定的 | Yoast / Rank Math等 |
| カテゴリー設計 | 制限あり | 自由 |
| 取引手数料 | 0〜2% | 0%(決済代行のみ) |
ただし、WooCommerceはホスティング・セキュリティ・アップデートの管理がすべて自己責任です。技術的な知識があるか、エンジニアに外注できる環境が前提になります。
自由度はかなり高く、コードをすべてご自身で管理できる点はかなりメリットが大きいです。ただし、サーバー管理、サイト速度管理などすべて自分で行う必要があります。
③ B2B・卸売対応を強化したい → BigCommerce
法人向け・卸売機能を強化したい場合、BigCommerceが有力な選択肢です。BigCommerceはB2B機能をネイティブで搭載しており、2025年版のParadigm B2B Combinesで3年連続メダル獲得という実績もあります。
具体的には、顧客グループ別の価格設定・見積もりフォーム・クレジット払い・請求書払い・企業アカウント管理などが、Shopify Plusを使わずとも対応できます。また全プランで取引手数料が0%です。
| Shopify Plus | BigCommerce Enterprise | |
|---|---|---|
| 月額 | 約$2,300〜 | カスタム(Plusより安価なケースが多い) |
| 取引手数料 | 0.15〜0.25% | 0% |
| B2B価格設定 | 対応 | ネイティブ対応 |
| 見積もり機能 | アプリ必要 | 標準搭載 |
| 請求書払い | アプリ必要 | 標準搭載 |
BtoBと BtoCを同一の管理画面から別々のストアとして運営できるマルチストアフロント機能も強みです。
④ 定期購読・サブスクリプションを中心に据えたい → BASE(グロースプラン) または makeshop
定期便・頒布会を主軸としたビジネスモデルの場合、サブスクリプションアプリへの依存度を下げたいなら、BASEのグロースプランまたはmakeshopが現実的な選択肢です。
BASEのグロースプランは月額5,980円で定期販売機能が標準搭載されており、決済手数料2.9%・取引手数料0%のシンプルな構造です。makeshopは月額13,750円ながら定期購買・予約販売・まとめ割引など多数の販促機能が追加費用なしで使えます。
| Shopify + Recharge | BASE グロース | makeshop | |
|---|---|---|---|
| 月額(目安) | 約4,850円 + $99〜 | 5,980円 | 13,750円 |
| 定期購買 | アプリ(追加費用) | 標準搭載 | 標準搭載 |
| 取引手数料 | 0〜2% | 0% | 0% |
| 日本語サポート | ◎ | ◎ | ◎ |
弱点別・代替サービスまとめ
| Shopifyで感じる弱点 | おすすめの代替 |
|---|---|
| アプリコストが積み上がる | makeshop / カラーミーショップ |
| SEO・ブログを本格的に作り込みたい | WooCommerce |
| URL構造を自由に設計したい | WooCommerce |
| B2B・卸売機能を強化したい | BigCommerce |
| 定期購読・サブスクを中心に据えたい | BASE(グロース) / makeshop |
Shopifyを乗り換える前に確認したいこと
乗り換えを検討する前に、以下を整理しておくと判断がしやすくなります。
1. 現在のアプリ費用を棚卸しする → 毎月支払っているアプリの合計額を計算してみてください。月額$100〜$200以上になっているなら、標準機能が充実した国内サービスへの移行でトータルコストが下がる可能性があります。
2. URLが変わるとSEOへの影響が出る → ドメインが変わる場合はもちろん、同じドメインでもURL構造が変わると検索順位に影響が出ることがあります。301リダイレクトの設定と、Google Search Consoleでの再クロール依頼を忘れずに行いましょう。
3. 越境EC・海外販売の予定があるならShopifyが有利 → 多言語・多通貨・国際配送・関税計算など、越境EC対応の総合力はShopifyが現状最も優れています。海外展開を予定しているなら、乗り換えによるデメリットのほうが大きくなりやすいです。
4. 移行期間中の販売停止リスクを把握する → 決済の審査・在庫データ移行・テーマの再構築など、移行には最低でも数週間のバッファが必要です。繁忙期と重ならないよう、スケジュールに余裕を持って進めましょう。
まとめ
Shopifyは総合的な完成度が高く、多くのECビジネスにとって最適解であることは変わりません。ただ、特定の課題に対しては他のプラットフォームのほうが適しているケースがあります。
- アプリコストを下げたい → makeshop / カラーミーショップ
- SEO・コンテンツ集客を強化したい → WooCommerce
- B2B・卸売に本格対応したい → BigCommerce
- 定期購読・サブスクを主軸にしたい → BASE(グロース) / makeshop
「Shopifyの何が不満か」を明確にしたうえで、その課題をピンポイントで解決できるプラットフォームを選ぶのが、失敗しない乗り換えの最短ルートです。


