「AIがアプリを作ってくれる」と聞いても、実際に何が作れるのかイメージしにくい方は多いはずです。この記事では、AIアプリビルダー「Lovable」で実際に作られているサイト・アプリの具体例を、カテゴリ別に20個紹介します。コードを書いたことがない方でも、自分のアイデアに近いものが見つかるはずです。
そもそもLovableで何ができるの?
Lovableは、日本語や英語で「こんなアプリを作って」と入力するだけで、動くウェブアプリを生成してくれるAIビルダーです。生成されたアプリはそのままURLで公開でき、データベース(ユーザー登録・データ保存)やデザインも自動で整います。
得意なこと
- フォームが中心の業務ツール(申請・管理・追跡)
- 管理画面・ダッシュボード系
- ウェイトリストやリード獲得ページ
- ログイン機能つきのメンバーサイト
- データを可視化するトラッカー系
苦手なこと
- リアルタイムのチャット・コラボ機能(実装はできるが安定しにくい)
- 複雑な条件分岐が多いUI
- Figmaデザインへの完全一致
- ネイティブスマホアプリ(iOSやAndroidのApp Store配布)
では、具体的に何が作れるか見ていきましょう。
【ビジネス・業務効率化】
1. クライアントオンボーディングポータル
新規クライアントの情報を受け取り、進捗を管理する社内ツールです。

こんな課題を解決: メール・LINEで情報がバラバラになる、対応漏れが発生するという悩みを持つフリーランスや小規模代理店に向いています。
あるデジタル代理店では、WhatsAppで管理していたクライアント情報をLovableで作成したポータルに移行したところ、1件あたりの事務作業が約3時間削減されたという事例があります。フォームに入力してもらうだけで情報が自動整理され、管理者は一覧・ステータス管理ができます。 独自で作成することで、必要なデータと連携したり、使いやすいレイアウトにすることができます。
主な機能: 入力フォーム、管理ダッシュボード、ステータス管理、ファイルアップロード
2. 見積・請求書ジェネレーター
品目・単価・税率を入力するだけでPDFを生成するツールです。

フリーランスデザイナーがGoogleドキュメントで毎月30分かけて作成していた請求書を、Lovableで作成したツールに置き換えた実例があります。品目の追加・削除・税計算・PDF出力まで自動化でき、毎回の作業時間をほぼゼロにできます。一度構築してしまえば、後は自由に使えるのでフリーランスにはおすすめ。海外にも無料の見積もり作成ツールはありますが、日本独自の形式に対応していないことも多いです。自分で構築することで、レイアウトや形式も自由にカスタマイズできます
主な機能: 品目入力、合計・税額の自動計算、PDFダウンロード、テンプレート保存
3. 社内有給・休暇申請トラッカー
社員がログインして休暇申請し、管理者が承認・却下できる社内システムです。
Googleスプレッドシートで運用していた12名のスタートアップが、2人が同じ週に休暇を取ってしまうトラブルを繰り返していた事例があります。Lovableで作成したカレンダービューつきの承認システムを導入したところ、チームは1週間以内に移行し、スプレッドシートを永久に削除しました。構築時間は約3時間40分でした。
主な機能: 休暇申請フォーム、カレンダービュー、承認・却下、種別(有給・病欠など)の分類
4. 提案書・契約書ジェネレーター
テンプレートから変数を差し込んで、統一フォーマットの提案書や契約書を生成するツールです。
毎回フォーマットがバラバラになる、修正のたびにメールでやり取りするといった問題を解決します。編集可能なテンプレートに顧客名・案件内容・金額などを入力するだけで、即座に整った提案書が完成します。
主な機能: テンプレート管理、変数入力、PDFエクスポート、承認フロー
5. スタッフシフト管理ツール
週単位のシフト表を作成・共有できる小規模チーム向けの管理ツールです。

Googleスプレッドシートのシフト表では情報の更新が追いつかなかったり、誰が最新版を持っているかわからなくなる問題が起きがちです。グリッド形式でシフトを割り当て、変更通知を送れる仕組みが作れます。さすがに手書きのカレンダーで行っているケースは最近は少ないと思いますが、バイトのシフトなどもLovableで作成すれば、誰もがリアルタイムで確認することができ、店長への通知も送ることができます。ログイン機能を付ければ、スタッフのみが使えるポータルサイトにすることもできます。
主な機能: 週次シフトグリッド、担当者アサイン、変更通知、交代申請
【マーケティング・集客】
6. ウェイトリストページ+管理画面
リリース前のプロダクトへのメールアドレス登録を集め、管理者が一覧・CSVエクスポートできるページです。
あるSaaSの創業者が「プロジェクト管理ツール」のウェイトリストページを45分で作成し、リリース前に340件のメールアドレスを集めてベータテストに活用した実例があります。パスワード保護された管理ページで登録者一覧を確認・書き出せます。
主な機能: メールアドレス入力、タイムスタンプ付き保存、管理者ダッシュボード、CSVエクスポート
7. 2ステップ型リード獲得ページ
「まず希望条件を選ぶ→次に連絡先を入力する」という2段階フォームで、CV率を高めるランディングページです。
ある不動産エージェントが同じFacebook広告を1ステップと2ステップのページに4週間流し比較したところ、2ステップページのほうが完了率が40%高かったという結果が出ています。最初に「どんな物件を探しているか」を選ぶだけで心理的なハードルが下がり、入力完了率が上がります。
主な機能: 選択式ステップ1、入力フォームステップ2、管理者へのメール通知、Supabaseへのデータ保存
8. 口コミ・お客様の声 収集ツール
サービス提供後に顧客へ評価を依頼し、回答を管理・公開できるツールです。

プロジェクト完了後に自動でフィードバックを依頼し、集まった口コミを自社サイトに埋め込む仕組みが作れます。レビューサイトへの誘導や、承認した口コミだけ表示する機能も追加できます。
主な機能: メールトリガー、評価フォーム、管理者承認、埋め込みウィジェット
9. フィードバック収集ウィジェット
自社サービスやウェブサイトに埋め込めるフィードバックポップアップです。
あるSaaSの創業者が月$49のフィードバックツールの代替として作成。1〜5の星評価とコメント欄を持つウィジェットを生成し、複数の異なるサイトに1行のスクリプトタグで埋め込めるJavaScriptコードを出力した事例があります。構築時間は約1時間30分でした。
主な機能: 星評価、任意コメント、ページURL自動記録、埋め込みスクリプト生成
【コンテンツ・コミュニティ】
10. メンバーシップポータル
ログインしたメンバーだけがアクセスできるコンテンツサイトやコミュニティです。

有料会員向けの限定記事、動画、テンプレートライブラリなどを提供するサイトを作れます。決済はStripe連携で実装可能です。Circle(月$39〜)のような有料プラットフォームを使わずに、自社でコミュニティを運営したい方に向いています。
主な機能: ログイン・会員登録、コンテンツの閲覧制限、フォーラム機能、プログレス表示
11. コース進捗トラッカー
受講者がレッスンの完了状況を管理し、制作者が離脱ポイントを把握できるツールです。
どのレッスンで受講者が止まっているかを可視化することで、コンテンツ改善に活用できます。受講者側はチェックリストとプログレスバーで達成感を感じながら学べます。
主な機能: レッスン一覧・チェック機能、プログレスバー、管理者向け分析画面
12. ポートフォリオサイト+事例集ビルダー
「課題→アプローチ→成果」の構成で、案件の事例ページを統一フォーマットで作れるサイトです。

毎回デザインがバラバラになりがちなポートフォリオを、テンプレートを使って統一感のある形で管理・公開できます。新しい案件を追加するだけでサイトが更新される仕組みにもできます。
主な機能: 事例テンプレート、タグ・カテゴリ管理、公開ポートフォリオページ
【生活・個人向け】
13. 習慣トラッカー
毎日の習慣をチェックしてストリーク(連続記録)を管理するツールです。いわゆる ToDoリストってやつですね。
習慣トラッカーアプリ市場は2025年の約1.3兆円規模から2035年には5兆円超へ成長すると予測されています。既存アプリとの差別化として、「アカウンタビリティパートナー」機能(お互いにチェックインし合う機能)などを組み込んだ特化型ツールが作れます。
主な機能: 習慣チェックリスト、ストリーク表示、パートナー招待、未達成の通知
14. サブスクリプション管理ダッシュボード
毎月・毎年払っているサービスを一覧化し、更新日や合計金額を把握するツールです。
ある創業者が22個のSaaSサブスクリプションを管理するためにLovableで作成。カテゴリ別の支出をグラフ化し、6ヶ月使っていなかった4つのサービスを即日解約できました。構築時間は約1時間45分。Recharts(グラフライブラリ)が自動で組み込まれた点が特徴的な事例です。
主な機能: サービス登録、更新日管理、カテゴリ別集計、30日以内更新リスト、グラフ表示
15. 家計・キャッシュフローダッシュボード
収入・支出・貯蓄の状況を一元管理し、AIが傾向を分析してくれる個人向け財務ツールです。
複数の銀行アプリや投資アプリを行き来しながら家計を管理している人は多いはずです。サブスクの増加に気づかせてくれたり、将来の支出を予測してくれる機能を組み込んだダッシュボードが作れます。
主な機能: 収支入力・カテゴリ分類、月次サマリー、グラフ可視化、サブスクリプション検出
【飲食・店舗・地域ビジネス】
16. QRコードデジタルメニュー
QRコードを読み込むとスマホに表示される、更新可能なデジタルメニューです。

ある飲食店オーナーが季節ごとのメニュー変更や価格改定のたびに紙メニューを刷り直していた課題を解決した事例があります。管理画面でメニューを更新すれば即座に反映され、テーブルのQRコードステッカーは変えなくていいため、印刷コストがゼロになります。構築時間は約2時間55分でした。
実際に、僕もヨーロッパに住んでいた時に、個人のカフェであきらからにノーコードツールで作成したようなQRコードのメニューを見たことがあります。Lovableかどうかはわかりませんが、
主な機能: 管理者向けメニュー編集画面、カテゴリ管理、在庫切れ表示切替、QRコード自動生成
17. 地域イベントアグリゲーター
特定のエリアで開催されるイベントを一か所に集めたカレンダーサイトです。
「この街で今週末何があるか」を調べるのに複数サイトを回る手間をなくすツールです。イベント主催者がフォームで投稿でき、カテゴリ・日付でフィルタリングできるカレンダービューを作れます。ローカルな情報発信メディアとしての活用も可能です。
主な機能: イベント投稿フォーム、カレンダービュー、カテゴリフィルター、メールダイジェスト
18. 地域ビジネスのポイント・スタンプカード
紙のスタンプカードをデジタル化した、小規模店舗向けのロイヤルティツールです。
大手プラットフォームへの依存なしに、自分でポイント制度を設計・管理できます。顧客がスマホでアクセスし、スタッフがQRコードを読み取るシンプルな運用にできます。
主な機能: 顧客登録・ポイント付与、スタンプカード画面、特典交換ログ、管理ダッシュボード
【スタートアップ・副業プロダクト向け】
19. ニッチなフリーランサーディレクトリ
特定の職種や地域に絞った、信頼できるフリーランサーを探せるマッチングサイトです。
クラウドワークス・ランサーズのような総合型ではなく、「東北地方の映像クリエイター」「農業向けITコンサルタント」など、ニッチに絞ることで信頼性と検索精度を高められます。プロフィールページ、バッジ認証、エリア検索が基本機能です。
主な機能: プロフィール登録・編集、スキル・エリアフィルター、認証バッジ、問い合わせフォーム
20. MVPのスコープ計算ツール
必要な機能を選んでいくと、開発コストの目安・期間・複雑度が表示されるツールです。
ある開発チームが「クライアントとの最初の会話を効率化したい」と考えて自社サイトに設置したところ、問い合わせ前に予算感を把握してくれた見込み客からの商談成約率が大幅に向上したという事例があります。チェックボックス形式で機能を選ぶだけで、費用感・スケジュール感の概算が出てきます。
主な機能: 機能チェックリスト、費用・期間の自動試算、複雑度スコア、相談CTAボタン
どんな人が向いているか
| こんな人に | 活用シーン |
|---|---|
| コードを書けない起業家・副業志望者 | アイデアの検証、MVP作成 |
| フリーランス・個人事業主 | 業務効率化ツール、クライアント向けポータル |
| スタートアップの非エンジニア創業者 | プロトタイプ作成、投資家向けデモ |
| 小規模チーム・中小企業の担当者 | 社内業務の自動化、管理ツール整備 |
| エンジニア・デザイナー | ボイラープレートのスキップ、高速プロトタイピング |
エンジニアにとっても「最初の70〜80%を自動生成して、差分だけ手を入れる」という使い方は有効です。LovableはReact+TypeScriptのコードをGitHubに出力するため、あとから自由に拡張できます。
うまく使うためのコツ
1. プロンプトは具体的に書く 「CRMを作って」ではなく「名前・メール・会社・ステータスを持つ連絡先を追加できるCRMを作って。一覧は検索できて、クリックすると詳細とメモ入力欄が開くようにして」と書くほど精度が上がります。
2. 変更は1つずつ行う 5つの修正をまとめて頼むより、1つ確認してから次へ進むほうが結果がブレません。
3. 「既存の部分はそのままで」と明示する 「他はそのままで、ボタンの色だけ変えて」と前置きすると、動いていた部分が再生成されて壊れるリスクを減らせます。
4. モバイル対応は最初から指定する 「スマートフォン(幅375px)でも見やすいレイアウトにして」と最初から入れておくと、後からデザインを直す手間が省けます。
まとめ
Lovableは「コードを書かずにアプリを作る」ツールですが、何でも作れるわけではありません。フォーム・管理画面・トラッカー・ランディングページといった定番パターンは精度が高く、週末の1〜2日で実用レベルのものが作れます。
アイデアがあるなら、まずFreeプランで試してみることをおすすめします。実際に触れてみると、どこまで作れてどこから限界が来るかが直感的にわかります。作ったものを見せながらフィードバックをもらうことで、開発の方向性も見えてきます。
ツールの力を借りて「まず動くものを作る」ことから始めてみましょう。

