ノーコードでネイティブアプリやWebアプリを作れるAdaloには、データベース設計をAIに任せられる「MagicStart」と「MagicAdd」という機能が搭載されています。これまでコレクション(テーブル)やプロパティ(項目)、リレーション(関連付け)を1つずつ手作業で組み立てていた工程を、作りたいアプリの内容を文章で伝えるだけでAIが自動生成してくれるのが最大の特徴です。
本記事では、この2つの機能の違いと具体的な使い方、そして使う上での注意点をまとめます。
難易度と前提知識
この機能は初心者向けというより、Adaloのデータベースの基本(コレクション、プロパティ、リレーションの考え方)をひととおり理解している方向けの中級者向け機能です。ゼロからDBの概念を学びたい場合は、先にAdalo公式のデータベース基礎ガイドに目を通しておくとスムーズです。
利用にあたって押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- データベースの基本構造(コレクション/プロパティ/リレーション)を理解していること
- 有料プランに加入していなくても利用できること
- MagicStart・MagicAdd合わせて、1つのAdaloチームあたり月10回までという利用回数制限があること
特に3つ目の月10回という制限は見落としがちなので、本番で使う前にテスト用のダミーアプリでプロンプトの書き方を練習しておくのがおすすめです。
MagicStartとは
MagicStartは、新規アプリを作成する際にデータベースタブから使えるAI機能です。「どんなアプリを作りたいか」を説明するだけで、AIがそのアプリに必要なコレクション一式と、コレクション同士のリレーションをまとめて提案してくれます。
たとえば以下のようなイメージです。
- 「フリマ・マーケットプレイス系アプリ」と伝えると → Users(ユーザー)、Products(商品)、Orders(注文)といったコレクションと、それらを結ぶリレーションが自動生成される
- 「SNS・コミュニティ系アプリ」と伝えると → Users、Posts(投稿)、Comments(コメント)のコレクションが生成される
ゼロの状態から手作業でリレーションを組むと地味に時間がかかる部分なので、アプリ開発の初速を上げる土台として非常に相性がいい機能です。ここで生成された構造をベースに、あとは画面デザインや詳細な項目調整に集中できます。
なお、Adalo側も明言している通り、プロンプトが曖昧だと提案の精度も下がります。「アプリを作って」ではなく、「ユーザーが出品した商品を他のユーザーが購入できるフリマアプリで、決済機能と評価機能を持たせたい」のように、具体的な機能や登場人物まで書き込むのがコツです。
MagicAddとは
MagicAddは、すでに構築済みのアプリに新機能を追加したいときに使うAI機能です。プロンプト欄に追加したい機能を説明すると、AIが既存のデータベースに合わせて新しいコレクションとリレーションを提案してくれます。
- 「チャット機能を追加したい」→ Messages(メッセージ)コレクションが新設され、Usersと紐付けられる
- 「予約機能を追加したい」→ Bookings(予約)コレクションが新設され、UsersやItemsなど既存のコレクションと関連付けられる
MagicStartが「ゼロからの土台作り」であるのに対し、MagicAddは「育ってきたアプリへの機能拡張」を担当するイメージです。既存データとの整合性を考えながら手動でリレーションを追加する手間が省けるため、アプリが育ってから新機能を試したいときに特に効果を発揮します。
使い方
MagicStartの使い方
- Adaloで新規アプリを作成する
- コレクションやプロパティをまだ何も作っていない状態で、データベース画面から「MagicStart」を選択する
- 作りたいアプリの内容を、できるだけ具体的に文章で入力する
- AIが生成したコレクションとリレーションの提案内容を確認する
- 問題なければそのまま確定、必要であれば項目名やリレーションを編集してから進める
MagicAddの使い方
- すでに作成済みのアプリを開く
- データベース画面から「MagicAdd」を選択する
- 追加したい機能を文章で説明する(例:「ユーザーがお気に入りアイテムを保存できるウィッシュリスト機能を追加したい」)
- AIが既存のデータベースに合わせて新しいコレクションとリレーションを提案する
- 内容を確認し、必要に応じて調整してから確定する
ベストプラクティス
- プロンプトは具体的に:登場するユーザーの種類、扱うデータ、必要な機能まで書き込むほど、生成される構造の精度が上がります
- 生成結果は必ず目視レビュー:AIが提案したコレクション名やプロパティ名、リレーションの向き(1対多/多対多など)は、確定前に必ず確認しましょう
- アプリ全体の設計は自分の頭の中に持っておく:MagicStart・MagicAddはあくまで時短ツールであり、アプリの設計主導権はあくまで開発者側にあります
- 既存の複雑なデータベースに追加する場合は要注意:MagicAddで生成されたリレーションが、既存のリレーションと重複・矛盾していないか二重チェックしておくと安心です
ゼロからコレクションとリレーションを手作業で組む時間を大幅に削減できる
アプリの種類やプロンプトの精度次第で、かなり実用的な初期構造が得られる
有料プラン未加入でも利用できるため、気軽に試せる
月10回という利用回数制限があり、試行錯誤しながら使うと意外と早く上限に達する
曖昧なプロンプトでは的外れな構造が生成されることがあり、結局手直しが必要になる場合もある
生成後のレビューを怠ると、不要なコレクションやリレーションがそのまま残ってしまうリスクがある






