Cal.comの2026年8月アップデート「v6.8」が公開されました。今回の目玉は、チケット販売やゲスト管理までカバーする新機能「Cal.com Events」のプレローンチ、予約できない原因を可視化する可用性トラブルシューターの刷新、そしてルーティングフォームへのAIチャット機能の追加です。本記事ではv6.8の主要アップデートを整理して解説します。
Cal.com Events:チケット販売・ゲストリスト管理・RSVP設定がひとつに

v6.8でプレローンチされた「Cal.com Events」は、あらゆるイベントをホストするための新機能です。チケット販売、ゲストリストのアップロード、RSVP設定の変更、参加者管理までを一元的に行えます。
有料イベントとして設定すると、RSVPフローがそのままチェックアウト画面に変わります。参加者が枠を選ぶと座席が仮押さえされ、Cal Pay側で決済が確認された時点で登録が確定する仕組みです。支払いが完了しないまま設定した期限を過ぎると仮押さえは自動的に解除され、その枠は再び予約可能になります。App Storeから別途アプリを追加する必要もなく、有料イベントを初めて保存したタイミングでCal Payアカウントが自動的に発行されます。
返金対応も柔軟です。参加者を削除すればその人の支払いは返金され、イベント自体をキャンセルすれば全参加者に返金が行われます。イベント終了後に支払いが完了した場合も自動的に返金されます。参加者にはリンクや領収書、チケットの確認メールが送られますが、支払いリンクの送信はあえて少し遅らせる設計になっており、すでに支払い済みのユーザーに催促メールが届くことを防いでいます。
Cal.comをまだ使ったことがない方は、まず基本機能から試してみるのがおすすめです。
可用性トラブルシューターが刷新:「なぜこの枠が予約できないか」が一目でわかる

可用性トラブルシューターが全面的に作り直され、「なぜこの枠は予約できないのか」というユーザーが本当に知りたい疑問にダイレクトに答えるようになりました。
予約できない枠にはすべて理由が表示されます。カレンダー上の予定、外出中(Out of Office)設定、予約数の上限、最小通知期間、隣接する予約によるバッファなど、可能な限り「どの設定を変更すれば解消するか」まで具体的に示してくれます。複数の要因が重なっている場合は、変更した際に最も多くの枠が解放されるものから順に優先度をつけて表示される点も便利です。
表示面では、週単位で全体像をつかめる新しい月表示(ドリルダウンで日別表示に切り替え可能)が、既存の列表示に加わりました。予約が埋まっている日もあえて選択可能なままにしてあり、確認したい日を後から見返せるようになっています。
ルーティングフォームにAIチャットが追加:会話するだけでフォームが作れる
これまでルーティングフォームの作成は、フィールドやルート、フォールバックを手作業で組み立てる必要がありました。v6.8では、それを会話形式で指示するだけで済むようになります。
「AIで作成」を選ぶと、入力した説明文をもとにAIがフィールドとルーティングロジックのたたき台を作成します。その後もチャットを続けることで、質問項目の追加、特定セグメントの振り分け先の変更、フォールバックの調整などを指示できます。

このAIは組織側で設定済みの属性(アトリビュート)を読み込んだうえでルートを提案するため、実際に使われている属性を参照してくれますし、説明文の内容に応じて新しい属性がなければ自動的に作成することも可能です。AIが作成した下書きは確定するまで本番のフォームには反映されません。既存フォームの編集画面からも利用でき、チャット履歴はページを再読み込みしても保持されます。ドライラン機能と組み合わせれば、実際にリードが流入する前にルートを作成・テストし、送信内容がどこに振り分けられるかを事前に確認できます。
そのほかの注目アップデート
v6.8では、上記3つの目玉機能以外にも多数の改善が加わっています。
条件分岐が可能な新しいキャンバス型ワークフローエディタを追加(段階的にロールアウト中の機能フラグ扱い)
ラウンドロビンの再割り当てが柔軟に:参加者がリスケジュール時にホストを選び直せるほか、終了済みの予約も手動で再割り当て可能に
ラウンドロビン・集合予約のホスト交代に対応した`BOOKING_REASSIGNED`Webhook、予約場所変更Webhook、予約ライフサイクルのペイロードへのICSカレンダー情報追加
Cal Videoに録画・文字起こしの同意ダイアログと、入室可能時間を制限するジョインウィンドウ機能を追加
Insightsに外出中(Out of Office)専用の分析ページを追加、予約CSVエクスポートに`cancelledBy`/`rescheduledBy`列を追加
イベントタイプごとのバナー画像設定(組織全体のフォールバック画像込み)と、予約ページの角丸スタイルを選択できる機能を追加
組織のダウングレードを自分で完結できるセルフサーブウィザードを追加。変更内容のプレビューやサブドメイン・リダイレクトの後処理にも対応
SCIMのみでのメンバー招待、メール確認なしでの予約を許可するオプトインを追加
API v2にユーザー所有のワークフロー用エンドポイント、権限を持つホスト向けの予約数上限スキップフラグ、委任クレデンシャルのローテーション無効化・リセット機能を追加
スケジュール・請求・認証・チーム・組織まわりのすべてのトランザクションメールを新しいカードレイアウトで刷新
Cal.com Eventsは現時点でプレローンチ段階であり、正式版までに仕様が変わる可能性がある
新しいキャンバス型ワークフローエディタは機能フラグの背後で段階的に展開中のため、環境によってはまだ利用できない
AIチャットによるルーティングフォーム作成は組織のアトリビュート設定に依存するため、事前の設定が整っていないと恩恵を受けにくい
主な不具合修正
細かな修正も多数入っています。最小通知期間が数秒単位で削られてしまう不具合の解消、予約前後のバッファが可用性計算に一貫して反映されるようにした修正、サマータイム(DST)をまたぐ期間指定で最終日が抜け落ちる不具合の修正、繰り返し予約の設定をオフにした際に残っていた予約が正しくキャンセルされるようになった修正、チーム管理者がメンバーの予約をキャンセル・リスケジュールできなかった不具合の修正などが行われています。
HodaPressの視点
Cal.comの基本機能や料金プランについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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