長いURLを短くするだけなら、正直どのツールでも大差はありません。差がつくのは「短縮した後」です。クリック数はどこまで見えるのか、ブランドドメインは無料で使えるのか、開発チームはAPIで自動化できるのか——この記事では、いま人気の高い5つのリンク管理ツール(Dub / Bitly / Rebrandly / Short.io / TinyURL)を、実際の料金プランと機能に基づいて比較していきます。
結論から言うと、筆者はDubを推しています。ただし「なぜDubなのか」を説得力を持って伝えるには、Dubの弱点も含めてフラットに書く必要があると思うので、良い点・悪い点の両方を正直に並べていきます。
比較の軸:何を基準に選ぶべきか
ツール選びで後悔しないために、まず自分がどのタイプのユーザーかを整理しておくと選びやすくなります。
- 無料プランの太っ腹さ重視 — リンク数・クリック数の上限、広告の有無
- ブランドリンク重視 — 独自ドメイン、SNSシェア時のプレビュー編集
- 分析・コンバージョン計測重視 — クリックだけでなく、そこから先の成果(登録・購入)まで追えるか
- 開発者・自動化重視 — APIの充実度、SDKの言語対応、Webhook
- エンタープライズ重視 — SOC2やGDPRなどのコンプライアンス、大規模運用への耐性
この5軸で並べると、各ツールの得意・不得意がかなりはっきり見えてきます。
比較表(2025年時点の公開プラン情報より)
| 項目 | Dub | Bitly | Rebrandly | Short.io | TinyURL |
|---|---|---|---|---|---|
| 無料プラン | 月25リンク・クリック1,000件、AI分析、カスタムドメイン3つ | 月5リンクのみ、分析なし、リダイレクト・ブランドリンク不可、広告表示 | 月10リンク、リダイレクト不可、ドメイン1つ、国レベルの基本分析のみ | 月1,000リンク・クリック5万件、ドメイン5つ、リダイレクト無制限 | 月100リンク、クリックは無制限だが分析なし、アカウント不要、広告表示 |
| ブランドリンク | 無料プランから複数ドメイン+SNSプレビュー編集可 | ブランドリンクは$29/月〜のGrowthプランから、SNSプレビュー編集不可 | 複数ドメインは$69/月のProfessionalプランが必要、SNSプレビュー不可 | 無料プランから複数ドメイン対応だがSNSプレビュー編集不可 | カスタムドメインは$9.99/月のProプランから、SNSプレビュー不可 |
| 分析・コンバージョン計測 | AIインサイト、無料UTMビルダー、サーバーサイドSDKでのコンバージョン計測(ただし$49/月のBusinessプラン以降) | $199/月クラスの上位プランでようやく高度なレポート、AI機能・コンバージョン計測なし | 高度な分析(都市別・参照元別)は$69/月から、AI機能・コンバージョン計測なし | 基本的なクリック分析のみ、UIがやや古い、コンバージョン計測は月50件までかつクライアントサイド計測(広告ブロッカーの影響を受けやすい) | UTMビルダーなし、AI・コンバージョン計測機能自体がない |
| 開発者機能 | TypeScript/Python/Go/Ruby SDK、Webhook対応、ドキュメント充実 | APIはあるが下位プランでは機能制限あり | APIはあるがSDKが少なく自前実装が必要になりがち | 開発者向けドキュメントはあるがSDKなし | 短縮・有効期限・エイリアス設定程度の基本API、分析取得やWebhookは非対応 |
| エンタープライズ対応 | SOC2・GDPR準拠、OSSでセルフホストも可能 | セキュリティ・実績は豊富だがコストが高い、非OSS | SOC2準拠だがセルフホスト不可 | SOC2非準拠、非OSS | OAuth2.0やワークスペース権限などの管理機能がなく企業利用には不向き |
各ツールのレビュー
Dub — 無料プランの完成度と開発者体験で頭一つ抜けている

Dubの一番の強みは、「無料プランなのに機能が中途半端でない」ことです。カスタムドメイン3つ、AI分析、UTMビルダーが最初から使えるのは、この価格帯(というか無料)では珍しいレベルです。オープンソースでセルフホストも選べるため、データを自社管理したい企業やエンジニア寄りのチームとも相性がいいです。
ただし正直に言うと弱点もあります。無料プランのクリック計測上限は月1,000件で、これはShort.ioの無料プラン(月5万件)と比べるとかなり控えめです。アクセス数の多いキャンペーンをすぐ回したい場合は、早い段階で有料プランへの移行を検討する必要があります。また、サーバーサイド計測によるコンバージョン追跡は精度が高い反面、$49/月のBusinessプランからしか使えないため、「無料でコンバージョンまで見たい」というニーズには応えきれません。
向いている人: 開発チームがいる、ブランドドメインを複数使いたい、将来的にAPI連携や自動化を前提にしている
Bitly — 知名度と実績はあるが、無料プランは正直厳しい
Bitlyは業界最大手で、企業の調達担当者からの信頼度は高いです。セキュリティやSSO対応など、エンタープライズ向けの体制はしっかりしています。
一方で無料プランは月5リンクのみ、しかも分析やブランドリンクが一切使えず広告まで表示されるという、かなり割り切った内容になっています。ブランドドメインを使うには$29/月のGrowthプランが必須で、そこからさらに本格的な分析機能を使おうとすると$199/月クラスまで跳ね上がります。「名前を知っているから」という理由だけで選ぶと、コストパフォーマンスの面で後悔しやすいツールです。
向いている人: 社内稟議でブランド力・実績が重視される大企業、他のBitly系サービス(QRコードなど)とセットで使いたい場合
Rebrandly — ブランディング重視のマーケティングチーム向け
ドメイン管理のUIが使いやすく、ブランドリンクを軸にしたマーケティング用途では評価が高いツールです。ただし複数ドメインを使うには$69/月のProfessionalプランが必要になり、これはこの記事で比較した中でも高めの価格帯です。高度な分析(都市別データや参照元別データ)も同じく上位プランでしか解放されません。SDKの選択肢が少ないため、開発者主導で使うには少し物足りなさが残ります。
向いている人: エンジニアリソースは薄いが、ドメイン取得〜接続までを1つのツールで完結させたいマーケティングチーム
Short.io — コスパ重視ならアリだが、機能は「基本」止まり
無料プランのボリューム(月1,000リンク・クリック5万件・ドメイン5つ)は5ツールの中でもトップクラスです。「とにかく安く大量に短縮リンクを使いたい」というニーズには強く応えてくれます。
一方でUIはやや古く、コンバージョン計測はクライアントサイド計測に依存しているため広告ブロッカーの影響を受けやすいという弱点があります。SDKもなく、SOC2のようなコンプライアンス認証も取得していないため、企業の本格運用にはやや不向きです。
向いている人: 個人や少人数チームで、とにかく無料枠のボリュームを重視したい場合
TinyURL — 「とりあえず短くしたい」を叶える老舗、ただし機能面は最小限
2002年からある老舗サービスで、アカウント登録なしでもすぐ使える手軽さが魅力です。ただしそれ以上のことを求めると急に物足りなくなります。無料プランでは分析機能が一切なく、有料プランでもUTMビルダーやAI機能、Webhookには対応していません。チームでの継続的な運用というより、あくまで単発利用に向いたツールです。
向いている人: アカウント登録すら面倒な、その場限りのリンク短縮ニーズ
まとめ:結局どれを選べばいいのか
- とにかく無料でブランドリンク+分析まで使いたい/将来的に開発者が触る前提 → Dub
- 社内の信頼感・実績を最優先したい大企業 → Bitly
- ドメイン取得からブランディングまで一括で完結させたいマーケティングチーム → Rebrandly
- 無料プランのボリューム最優先、UIの古さは気にしない → Short.io
- 登録不要で今すぐ1本だけ短縮したい → TinyURL
総合力で見ると、無料プランの完成度・開発者体験・セキュリティ対応をバランスよく満たしているのはDubです。特にエンジニアが在籍するチームや、将来的にAPIで自動化したいと考えている場合は、最初からDubを選んでおくと乗り換えコストを避けられます。
とはいえ、クリック数の多いキャンペーンを無料枠だけで回したいならShort.io、社内稟議でブランド力が問われるならBitlyという判断も十分に合理的です。最終的には、自分たちの利用量とチーム構成に照らして、無料プランで一度試してから決めるのがいちばん失敗しません。






