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2026年10月8日—PDF・画像・Officeファイルも取得できるUniversal Scrapeが登場しました
Webページの更新を追いかけるのは、地味に手間のかかる作業です。競合の料金ページ、ツールの更新履歴、利用規約の改定など、「変わったら知りたい」ページほど毎日見に行くのは面倒ですし、見に行ってもほとんどは変わっていません。
2026年5月27日にFirecrawlが公開した Firecrawl Monitor(/monitor) は、この「変更の検知」をまるごと引き受けてくれる機能です。監視したいページとスケジュールを決め、「何が変わったら知らせてほしいか」を文章で書いておくと、変更があったときだけ、差分つきで通知してくれます。
今回は、Firecrawl Monitorでできること、通知の仕組み、クレジットの消費と料金、向いている人・向いていない人まで、公式ドキュメントと料金ページをもとに整理します(2026年10月時点の情報です)。
Firecrawl Monitorとは?
Firecrawl Monitorは、指定したページやサイト全体を一定間隔でチェックし、前回との差分を検出して通知する機能です。Webスクレイピング/クローリングAPIであるFirecrawlのエンジンの上に作られていて、Firecrawlを使っているユーザーなら追加の契約なしで使えます。
自分でページの変更監視を作ろうとすると、おおむね次のものが必要になります。
- 定期実行の仕組み(cron)
- 前回取得した内容を保存するスナップショットの保管先
- 新旧を比べる差分処理
- 通知を送るWebhook(失敗時の再送も含む)
- 広告・タイムスタンプ・セッショントークンなど、毎回変わる「ノイズ」の除外
Firecrawl Monitorは、これらを1つのエンドポイントにまとめたものです。公式の説明では、AIエージェントが「変わった部分だけ」を受け取るので、ページ全体を読み直す場合に比べてLLMのトークン消費を最大90%減らせるとされています。
Firecrawl Monitorの主な機能
5分間隔からの定期チェックと差分検知
チェックの間隔は「every 30 minutes」「hourly」「daily at 9am」「weekly」といった自然な文章か、cron式で指定できます。最短は5分間隔です。
各チェックでは、対象ページをMarkdownとして取得し、前回のスナップショットと比較します。結果はページごとに次のいずれかのステータスで記録されます。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| same | 前回から変化なし |
| changed | 内容が変わった |
| new | 新しく見つかったページ |
| removed | なくなったページ |
| error | 取得に失敗した |
変更があったページには、追加された行・削除された行がわかる差分(unified diff形式)が付きます。チェックごとに固定のURL(パーマリンク)も発行されるので、特定の変更をチームメンバーやエージェントに共有しやすくなっています。
Goal(目的)とAI判定で「意味のある変更」だけ通知
Firecrawl Monitorの特徴が、**Goal(ゴール)**です。「料金プランの価格が変わったら知らせて」のように、何を知りたいのかを平易な文章で書いておくと、AI判定(AI judge)が検出された差分をGoalと照らし合わせ、通知すべき変更かどうかを判断します。
判定結果には、意味のある変更かどうか(meaningful)、確信度(confidence)、その理由が含まれます。たとえば次のような変更は通知されにくくなります。
- フッターの著作権表記の年が変わった
- タイムスタンプが更新された
- ローテーション表示される口コミが入れ替わった
メール通知では、変更ページがすべて「ノイズ」と判定された場合、メール自体が送られません。
なお、公式ドキュメントのGoalの例はすべて英語です。日本語で書いた場合の精度については公式に記載がないので、日本語のページを監視する場合は、少し試してから本格運用するのがおすすめです。
監視対象は3種類
1つのモニターには1〜50個のターゲット(監視対象)を登録でき、種類を混ぜることもできます。
| 種類 | 監視する内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| ページ監視(scrape) | 指定したURLの変更 | 料金ページ、更新履歴、規約ページ |
| サイト監視(crawl) | クロールで見つかった全ページの追加・変更・削除 | ドキュメントサイト全体、ブログの新着 |
| Web全体の監視(search) | 検索クエリに合う新しい結果 | 競合の新製品、新しいモデルのリリース情報 |
Web全体の監視は、まだ存在しないページを待ち受けるイメージです。検索結果はGoalで1件ずつ判定され、一度通知した結果は次回以降の実行で重複して通知されません。この種類ではGoalが必須です(AI判定をオフにする場合を除く)。
価格などの「項目」だけを監視するJSONモード
ページ全体の文章差分ではなく、特定の項目だけを監視したい場合は、JSONモードを使います。プラン名・価格・機能リストといった項目をスキーマ(またはプロンプト)で指定すると、チェックのたびにその項目を抽出して、変わった項目だけを「前の値 → 今の値」で返してくれます。
たとえば、料金ページのplans[0].priceが$19/moから$24/moに変わった、という形で受け取れます。レイアウト変更や関係ない文章の更新に左右されないので、価格監視のように「この値だけ見たい」用途に向いています。文章の差分も同時に欲しい場合は、JSONとgit-diffを組み合わせた混合モードもあります。
通知はWebhook・メール・Slackに対応
通知先は次の3つで、併用もできます。
- Webhook:ページごとの結果が出るたびに届く
monitor.pageと、チェック全体の完了時に届くmonitor.check.completedの2種類のイベントから選べます。署名付きで、カスタムヘッダーも設定できます。受け側は10秒以内に2xxを返す必要があり、失敗した場合は1分後・5分後・15分後に再送されます - メール:差分入りのサマリーが届きます。宛先は最大25件まで指定でき、新しく追加した宛先には確認メールが送られます
- Slack:指定したチャンネルに通知できます。設定はダッシュボードからのみで、API・SDKからは設定できません
モニターの履歴は、既定で30日間保存され、最大365日まで延ばせます。
Firecrawl Monitorの仕組み
大まかな流れは、次の4ステップです。
- 1つ以上のページ(またはサイト全体)を対象にモニターを作成する
- Firecrawlがスケジュールどおりにページを取得し、スナップショットとして保存する
- チェックのたびに、新しい内容を直前のスナップショットと比較して差分を取る
- 変更があれば、構造化された差分とパーマリンクをWebhookまたはメールで送る
Firecrawl Monitorの使い方
ダッシュボードからモニターを作る場合の基本的な流れです。画面の表記は変更されることがあるため、細かな名称は実際の画面に合わせてください。
Firecrawlのダッシュボードで「Monitoring」を開く
Firecrawlのアカウントにログインし、ダッシュボードのモニタリングのページを開いて、新しいモニターを作成します。
監視するURLを入力する
1ページだけでも、複数URLでも、サイト全体でも設定できます。サイト全体の場合は、含めるパス・除外するパスも指定できます。
Goalを書く
「料金プランの価格が変わったら知らせて」のように、通知してほしい変更を短く具体的に書きます。範囲(上位10件だけ、特定のプランだけなど)や除外したいものがあれば、そこにも触れておくと精度が上がります。
スケジュールを決める
毎時、毎日などの頻度を選びます。変化の少ないページなら間隔を広げたほうが、クレジットの節約になります。
通知先を設定する
Webhook、メール、Slackから選びます。エンジニアでなくても、メールかSlackだけで運用できます。
月間の見積もりクレジットを確認して有効にする
設定内容から見積もられた月間のクレジット消費が表示されるので、納得してから有効にします。
APIやSDKからも作成できます。Pythonの例は次のとおりです。
from firecrawl import Firecrawl
firecrawl = Firecrawl(api_key="fc-YOUR-API-KEY")
monitor = firecrawl.create_monitor(
name="Pricing monitor",
schedule={"text": "hourly", "timezone": "UTC"},
goal="Notify me when a pricing tier or price changes",
targets=[
{
"type": "scrape",
"urls": ["https://example.com/pricing"],
}
],
notification={
"email": {
"enabled": True,
"recipients": ["alerts@example.com"],
"includeDiffs": True,
}
},
)
print(monitor.id)
Goalを入れると、AI判定は自動で有効になります。作成のレスポンスには、次回実行時刻とestimatedCreditsPerMonth(月間の見積もりクレジット)が含まれます。CLIにもfirecrawl monitorコマンドがあり、作成・一覧・手動実行・チェック履歴の確認・一時停止などができます。
Firecrawl Monitorの活用例
| 用途 | Goalの例(公式の例を和訳) |
|---|---|
| 競合の料金監視 | 「プランの価格が変わったら知らせて」 |
| ドキュメント・更新履歴の追跡 | 「APIドキュメントが変わったらエージェントに知らせて」 |
| RAGの鮮度維持 | 「再インデックスする価値のある変更を知らせて」 |
| ECの価格・新商品 | 「値下げや新商品があれば知らせて」 |
| 求人の追跡 | 「新しい求人が出たら知らせて」 |
| 規約・ポリシーの変更 | 「利用規約やポリシーの変更を追跡して」 |
エージェントとの組み合わせでは、たとえば複数の情報源を監視するリサーチ用エージェントが、どれかが更新された瞬間に新しいサマリーを作る、といった使い方が公式に紹介されています。RAGでも、サイト全体を再取得せず、変わったドキュメントだけを更新できます。
Firecrawl Monitorの料金
Monitorに専用の月額料金はなく、チェックのたびにFirecrawlのクレジットを消費します。
| 内容 | 消費クレジット |
|---|---|
| ページ監視 | 1URLにつき1クレジット/チェック |
| サイト監視 | 発見した1ページにつき1クレジット/チェック |
| Web全体の監視 | 検索結果10件につき2クレジット/チェック |
| AI判定(ページ・サイト監視) | 変更があり判定したページ1つにつき+1クレジット |
| AI判定(Web全体の監視) | 判定した結果1件につき1クレジット |
| JSONなどのオプション | 通常のスクレイプのオプションと同様に加算 |
AI判定の追加分は「変更があって判定が実行されたページ」にだけかかるので、変化のないチェックでは加算されません。また、スキップされたチェック(前回のチェックが終わっていない場合や、クレジット不足の場合)には課金されません。
月間のクレジット消費の目安
ページ監視(1ページ=1クレジット/チェック)で、AI判定の追加分を除いた目安です。
| チェック間隔 | 1ページ | 10ページ |
|---|---|---|
| 5分ごと | 8,640 | 86,400 |
| 毎時 | 720 | 7,200 |
| 6時間ごと | 120 | 1,200 |
| 毎日 | 30 | 300 |
間隔を短くするほど、監視するページが増えるほど、クレジットの消費は大きくなります。「5分ごとに10ページ」は月に86,400クレジットとなり、無料枠や小さなプランではまかなえません。まずは毎日〜数時間おきから始めるのが無難です。
Firecrawlのプラン
クレジットはFirecrawl全体で共通です。2026年10月時点の料金ページの表示は次のとおりです(年払い換算の月額。月払いの場合は割高になり、たとえばHobbyは$19です)。
| プラン | 月額(年払い) | 月間クレジット |
|---|---|---|
| Free | $0 | 1,000 |
| Hobby | $16 | 5,000 |
| Standard | $83 | 100,000 |
| Growth | $333 | 500,000 |
| Scale | $599 | 1,000,000 |
| Enterprise | 要問い合わせ | カスタム |
Freeプランはクレジットカード不要で、毎月1,000クレジットが付与されます。たとえば「1ページを毎時チェック」なら月720クレジット、「10ページを毎日チェック」なら月300クレジットなので、数ページの試験運用なら無料枠に収まります。
有料プランでは、クレジットが足りなくなったときに$5単位で追加できるpay-as-you-goが使えます(月の上限額は自分で設定可能)。$5あたりの追加クレジットは、Hobbyが1,000、Standardが2,000、Growthが2,500、Scaleが5,000です。クレジットは翌月に繰り越されません(Scaleは1か月繰り越し)。pay-as-you-goを使わずにクレジットを使い切ると、スケジュールされたチェックはスキップされ、クレジットを追加すれば再開します。
料金面で注意したいこと
- JSONモードの項目監視は、料金ページ上で「1ページ1チェックあたり7クレジット」という別の扱いで記載されています。ドキュメントには通常のスクレイプのオプションと同様に加算するとあり、表現が揃っていないため、有効化前に表示される見積もりで確認してください
- 取得したページがエラーステータス(403・404など)を返した場合も、1クレジットが消費されます
- 料金・クレジットの扱いは更新されることがあるので、契約前に公式の料金ページを確認してください
cron、スナップショット保存、差分処理、Webhookの再送などを自分で作らなくて済む
Goalで、広告・日付・入れ替わる口コミなどの「意味のない変更」を通知から除外できる
1ページ、サイト全体、Web検索の3種類の監視に対応している
JSONモードで、価格などの特定の項目だけを監視できる
Webhook・メール・Slackに対応し、メールやSlackだけならコード不要で運用できる
有効化の前に月間の見積もりクレジットを確認できる
毎月1,000クレジットの無料枠で試せる
チェックのたびにクレジットを消費するため、短い間隔×多数のページだと膨らむ
ページをMarkdown化して比較するので、CSSや画像だけの見た目の変更は差分に出ない可能性がある
Goalの公式の例は英語で、日本語で書いたときの精度は公式に明記されていない
Slack通知の設定がダッシュボードのみで、API・SDKからできない
2026年5月に公開された新しい機能で、長期運用の実績はまだ少ない
Firecrawl Monitorが向いている人・向いていない人
向いているのは、次のような人です。
- 競合の料金・機能・求人など、特定のページの変更を継続的に追いたい人
- AIエージェントやRAGを運用していて、情報源の更新をきっかけに処理を動かしたい人
- 監視用のスクリプトやサーバーを自分で保守したくない人
- 料金ページや更新履歴の変更を、メールやSlackで受け取りたい人
向いていないのは、次のような人です。
- 1つのページをたまに確認できれば十分な人(ブラウザの無料拡張機能などで足ります)
- 画面の見た目の変更を画像で比較したい人(スクリーンショット比較ができる別のツールのほうが向いています)
- 非常に多くのページを短い間隔で監視したい人(クレジット消費が大きくなるため、先に試算が必要です)
よくある質問
Firecrawl Monitorは無料で使えますか?
Freeプランの月1,000クレジットの範囲で使えます。たとえば10ページを毎日チェックするなら月300クレジットです。ただし、AI判定の追加分や短い間隔の設定で、無料枠を超えることがあります。
スクレイピングを定期実行するのと何が違いますか?
Firecrawlの/scrapeにも、前回との差分を返す変更追跡(change tracking)のフォーマットがあります。Monitorは、その上にスケジュール実行、AI判定、Webhook・メール・Slack通知を加えたもので、自分で定期実行の仕組みを組む必要がありません。
コードが書けなくても使えますか?
ダッシュボードからモニターを作成でき、通知もメールやSlackなら、Webhookの受け口を用意する必要はありません。エージェントやシステムと連携する場合はWebhookを使うことになります。
日本語のページも監視できますか?
公式ドキュメントに言語の制限は書かれていません。ページの内容をMarkdownとして比較する仕組みなので、日本語のページも差分は取れるはずですが、Goalを日本語で書いたときの判定精度は、実際に試して確認するのが確実です。
クレジットがなくなったらどうなりますか?
そのチェックはスキップされ(課金なし)、モニター自体は止まらずにスケジュールを続けます。クレジットを追加すれば、そのまま再開されます。
まとめ
Firecrawl Monitorは、「Webページの変更を知りたい」というよくある悩みを、スケジュール・差分・AI判定・通知まで1つにまとめて解決してくれる機能です。自前で監視の仕組みを作って保守する手間がなくなり、Goalで必要な変更だけに絞れるのが大きな魅力です。
一方で、チェックのたびにクレジットを消費するので、監視するページ数とチェック間隔の設計が運用コストを左右します。まずはFreeプランの1,000クレジットで、料金ページや更新履歴など数ページを毎日〜数時間おきにチェックするところから試してみてください。






