ツール最新情報
2026年10月14日—AIでコースを丸ごと作れるLiving Learning Systemが発表されました
オンラインコース作成プラットフォーム「LearnWorlds」が、2026年10月20日〜21日にかけてAI関連の新機能・強化を一気に発表しました。
今回の更新は単発の機能追加ではなく、コースの企画から制作、受講中のサポート、評価までを一通りAIでつなぐ内容になっています。この記事では、公式のリリース情報とヘルプ記事をもとに、何が変わったのか、どのプランで使えるのかを日本語でまとめます。
今回のアップデートの全体像
発表された機能は次の9つです。
| 機能 | 概要 | 発表日 | 対応プラン |
|---|---|---|---|
| Learner AI Agent | 受講中の学習者が質問できるAIエージェント | 10/21 | Learning Center(申請制)/High Volume & Corporate |
| AI Assistant for the Site Builder | 会話形式でページ作成・修正 | 10/21 | 全プラン |
| AI Assistant for assessments | 試験・フォーム・自己評価をAIで作成・編集 | 10/21 | 全プラン |
| AI Assistant for eBooks | eBookの作成・修正・翻訳を会話で依頼 | 10/21 | 全プラン |
| AI audio creation | ナレーション・ポッドキャスト・対話形式の音声をAI生成 | 10/21 | 全プラン |
| AI video creation | SynthesiaまたはHeyGen連携でAI動画を作成 | 10/21 | 全プラン |
| Complete course creation with AI | アウトラインから中身まで、コースを丸ごとAI生成 | 10/21 | 全プラン |
| Session recovery | AIでのコース企画セッションの自動保存と再開 | 10/20 | 全プラン |
| AI Course knowledge library | 参考資料を一度アップロードして使い回せる | 10/20 | 全プラン |
※対応プランは公式のチェンジログの記載にもとづきます。Learner AI Agentだけは、StarterとPro Trainerが非対応です。
特に目玉となるのがLearner AI Agentで、これまでの「コース制作者を助けるAI」から、「学習者を助けるAI」へと範囲が広がった点が大きな変化です。
Learner AI Agent|受講中の学習者に寄り添うAI
どんな機能か
Learner AI Agentは、コースプレイヤー内で学習者が質問できるAIエージェントです。内容の解説や学習の相談に答えてくれます。
制作者側では、エージェントの知識・指示・教え方を設定できます。用途に応じて、次のようなエージェントを複数作れます。
- 学習ガイド:教材の復習、要約、テスト対策
- ラーニングコーチ:考えさせながら難しい概念を理解へ導く
- コースアシスタント:コース内容への質問対応、関連教材の案内
- トレーニングアシスタント:社員研修での質問対応、必要時に講師へつなぐ
利用できるプラン
チェンジログ上、Learner AI Agentに対応しているのはLearning CenterとHigh Volume & Corporateです。StarterとPro Trainerは非対応です。さらにLearning Centerプランの場合は、カスタマーサクセスマネージャー(CSM)経由で機能の有効化を申請する必要があります。
設定できる項目
ヘルプ記事によると、エージェントの設定画面には多くの項目があります。
名前、アバター、カラー、ステータス(下書き/公開)を設定でき、公開前にプレビューで挙動を確認できる
ボタンの表示位置(右下フローティング、ナビバー内、サイド)とチャットの開き方(フローティング/サイドバー)を選べる
「Directions」で、エージェントの振る舞いや避けるべき話題を文章で指示できる
利用範囲をすべてのコース、または特定のコース・ラーニングプログラムに限定できる
受講前のユーザー向けに、無料セクションの内容だけを使って応答させることもできる
Starter/Pro Trainerでは使えず、Learning Centerでも有効化の申請が必要
音声入力(ディクテーション)は追加クレジットを消費する場合がある
主な設定項目を整理します。
知識の扱い方(Knowledge)
教材にどこまで忠実に答えるかを3段階から選びます。
- Strict:教材の内容に厳密に沿い、裏付けのない情報を足さない
- Balanced:教材を軸にしつつ、一般知識で説明の補足をする
- Open:教材を土台に、より自由に説明を広げる
答えられないときの挙動
「そこで終了する」「人につなぐ」「別の場所を案内する」から選べます。「人につなぐ」を使うには、後述のHuman handoffの設定が必要です。
教え方(Teaching defaults)
学習者への関わり方を4種類から選びます。
- Adaptive:学習者の入力に応じて対応を変える
- Guide first:まず学習者に考えを聞いてから答える
- Balanced:短く答えたうえで、理解確認の質問を返す
- Answer first:直接答えと実例を示す
批判的思考を重視する講座ならGuide first、すぐに説明がほしい学習者が多い講座ならAnswer first、というように使い分けられます。
試験中の扱い(Assessment and evidence)
受験中のAIの関与を制御できます。
- Off:試験の受験中は使えない
- Helps learner think:設問の言い換えや理解の確認はするが、正解かどうかは明かさない
- Fully available:解答についての質問も含め、自由に質問できる
なお、エージェントが自分の判断を公式な採点として示すことはない、と明記されています。
学習者の記憶(Memory)
「Remember learners」をオンにすると、過去の会話から学習者のプロフィールを作り、次回以降の対応に反映します。オフにしておけば使われません。
人への引き継ぎ(Human handoff)
会話をスタッフに引き継ぐ条件と担当者を設定できます。引き継ぎの条件には次のものがあります。
- エージェントが答えられないとき
- 学習者が人と話したいと求めたとき
- 学習者が行き詰まっている、またはイライラしていそうなとき
- 請求やアカウントアクセスに関する質問のとき
- カスタム条件
引き継ぎは選択した管理者・講師の受信箱に届き、学習者のコースの講師が優先されます。
能動的な声かけ(Triggers)
エージェント側から会話を始めるタイミングとして、「コース初回訪問」「コース修了」「修了証の発行」を設定できます。
対象者の絞り込み(Audience)
ユーザープロフィールなどの条件で、エージェントを使える学習者を絞れます。コースの利用範囲と組み合わせて動作し、学習者は「対象条件を満たし、かつそのコースにアクセスできる」場合にだけ利用できます。
管理とモニタリング
メニューの「Agents」から、作成済みエージェントの一覧と状況を確認できます。ダッシュボードでは次の指標が見られます。
- Conversations(会話数)
- Students reached(利用した学習者数)
- Handoffs(スタッフへの引き継ぎ数)
「Activity」タブでエージェントの動きを確認し、設定の見直しにも使えます。
AIによるコース丸ごと作成(Complete course creation)
もう1つの大きな更新が、コースの構成から中身まで、AIが一括で生成する機能です。eBook、評価、動画など、選んだ学習アクティビティもまとめて作られます。
作成の流れ
「Courses & Programs」→「Create course」→「Create course with AI」で始めます。
- プロンプト入力:トピック、対象者、学習目標などを入力。資料の添付、テキストの貼り付け、既存コースの参照もできる
- Course brief(コース概要)の確認:対象者、前提知識、学習成果、扱うトピック、起こりがちな誤解、所要時間をAIが提案
- Learning experience(学習体験)の設計:インタラクションの頻度(Light/Regular/High)、説明の仕方、開始時・途中・終了時のアクティビティ、修了証、ナビゲーション(自由/順次)
- Voice, language, visuals:トーン、言語・用語のルール、画像の頻度とクリエイティブの方向性
- アウトラインの確認:セクションとアクティビティを選択・調整
- 生成方法の選択:下の表のとおり
- コース設定:カバー画像、タイトル、説明文、URL、ページレイアウトを確認して作成
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| Continue to planning | アクティビティごとの詳細プランを確認・修正してから生成する |
| Generate course without planning | 承認したアウトラインから直接コンテンツを生成する |
| Create outline only | 構成だけ作り、中身は後から追加する |
生成時には「Prioritize speed(速度優先)」と「Prioritize consistency(一貫性優先)」も選べます。
セッション復旧(Session recovery)
AIでのコース企画は途中で中断されがちですが、今回「Save plan」で保存したプランや、中断されたセッションを再開できるようになりました。再開は「Create course」画面の「Saved plans」と「In progress」から行います。
AIソースライブラリ(AI Source library)
参考資料を一度アップロードしておけば、複数のコースで使い回せる機能です。ファイルのアップロード、URLのインポート、既存リソースの選択ができます。
- School-wide:学校全体で共有する資料
- Courses:コースごとの参考資料
資料ごとにON/OFFを切り替えられ、「Add instructions」でその資料の使い方を個別に指示できます。AIがどこまで資料に従うかは、Learner AI Agentと同じStrict/Balanced/Openで選べます(デフォルトはBalanced)。
- 社内規定や承認済み資料にもとづく研修ならStrict
- 一般的な教育コンテンツならBalanced
- 新しいアイデアを探るならOpen
各種AIアシスタント|eBook・評価・サイトビルダー
3つの制作領域で、会話形式のAIアシスタントが使えるようになりました。共通の特徴は、複数の変更を1回の指示でまとめて依頼できること、そして変更を元に戻せることです。
AI Assistant for eBooks
画面右上の「AI Assistant」から、セクションの書き直し、トーンの調整、翻訳などを依頼できます。eBook全体、または一部のセクションを別言語に翻訳することも可能です。変更後は「Restore previous version」で前の状態に戻せ、会話履歴も残ります。

画像についても、画像ウィジェットからAIで生成・編集でき、結果は画像ライブラリに保存されます。
AI Assistant for assessments
試験、自己評価、フォームを対象に、設問の生成や既存問題の改善ができます。たとえば次のような指示です。
- 特定のトピックの問題を追加する
- 複数の設問の文言を簡単にする
- 難易度を調整する
- 解説・フィードバックをまとめて更新する
設定面も自然言語で変更できます。「合格ラインを70%にして2回まで受験可」「制限時間を20分にして設問をランダム化」といった指示が例として挙げられています。
ヘルプ記事では、AIが生成した内容は公開前に必ず人が確認すること、特に採点のある評価では正解・配点・合格条件を確認することが強調されています。
AI Assistant for the Site Builder
ビルドしたいページや変更内容を伝えるだけで、複数のコンテンツ・デザイン変更を1つの会話でまとめて進められます。要素ごとに編集する手間を減らす狙いです。
AI音声作成(AI audio creation)

音声学習アクティビティの中で、AIが音声を生成できるようになりました。形式は3つです。
- Narration:1人の話者による解説。レッスンや要約向き
- Podcast:ホストとゲストによる対談形式
- Dialogue:複数の話者による会話形式。ロールプレイやシナリオ向き
プロンプトを入力するとAIがスクリプトを作り、スクリプトを直接編集するか、AIチャットで修正してから、話者ごとに声を選んで音声を生成します。声はプレビューで試聴できます。
AI動画作成(AI video creation)

LearnWorlds内で、スクリプトの作成から動画の生成までを進められる機能です。自分のSynthesiaまたはHeyGenのアカウントを接続する必要があります。LearnWorlds単体で動画を生成するわけではない点に注意してください。
作成の入口は3つあります。
- AIでコースを作る流れの中で
- 動画アクティビティの設定から
- ビデオライブラリの「Add video」→「Create with AI」から
流れは、動画の内容を説明 → スクリプトを確認・修正 → アバターと声を選択 → 動画を生成、です。
カスタムのアバターと声も作れます。
- アバター:1人が写った正面向きの鮮明な写真(PNGまたはJPEG、最大32MB)
- 声:ノイズのない1人分の音声を30秒以上(最大32MB)
いずれも、本人の許可を得た素材のみを使うよう明記されています。
料金とプラン
LearnWorldsの料金は、第三者の調査記事を確認した時点では次のとおりです。最新の金額は必ず公式の料金ページで確認してください。
LearnWorldsの価格表
最終更新日
無料プランなし
料金は米ドル(USD)表示
| プラン | 月払い | 年払い(月額換算) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Starter | $49 /月 | $44 /月 | 初めての有料コースを公開したい個人向け |
| |||
| Pro Trainer | $99 /月 | $79 /月 | 1人で講座やコーチング事業を運営する人向け |
| |||
| Learning Center | $299 /月 | $249 /月 | 自社ブランドのアカデミーや研修チーム向け |
| |||
| Corporate | 情報なし | 情報なし | 複数スクールや大規模研修を運営する企業向け |
| |||
Starter
初めての有料コースを公開したい個人向け
- 月払い
- $49 /月
- 年払い(月額換算)
- $44 /月
- 有料の受講登録1件ごとに$5の手数料がかかる
- 月間アクティブ受講者1,000人、管理者1人まで
- AIクレジットは月300
- 30日間の無料トライアルあり
- 2026年10月29日から新規契約は値上げ(旧: 月$29/年払い月$24)。既存契約者は旧価格のまま
Pro Trainer
1人で講座やコーチング事業を運営する人向け
- 月払い
- $99 /月
- 年払い(月額換算)
- $79 /月
- 受講登録の手数料はなし
- 月間アクティブ受講者2,000人、管理者5人まで
- AIクレジットは月500、SCORMは20件まで
- 30日間の無料トライアルあり
Learning Center
自社ブランドのアカデミーや研修チーム向け
- 月払い
- $299 /月
- 年払い(月額換算)
- $249 /月
- 月間アクティブ受講者2,000人、管理者25人まで
- LearnWorldsのロゴを消せる完全ホワイトラベル、クライアントグループは10まで
- AIクレジットは月1,000
- 30日間の無料トライアルあり
- 公式ページで「Most popular」のバッジが付いている
Corporate
複数スクールや大規模研修を運営する企業向け
- 月払い
- 情報なし
- 年払い(月額換算)
- 情報なし
- 料金は個別見積もり
- 受講者数・管理者数・AIクレジットは個別設定
- 稼働率99.95%保証と24時間の電話サポート付き
全プランに30日間の無料トライアルがあるとされています。
ここで押さえておきたいのは、今回の目玉であるLearner AI AgentがStarterとPro Trainerでは使えない点です。学習者向けAIを使いたい場合は、Learning Center以上(月額$299〜)が前提になります。一方、コース制作系のAI機能(コース作成、eBook、評価、音声、動画、サイトビルダー、ソースライブラリ)は全プランで利用できます。
メリットと注意点
コース制作系のAI機能は全プランで使え、小規模な運営でも恩恵がある
アウトライン→詳細プラン→生成と、段階的に人が確認・修正できる流れになっている
自分の資料を軸にAIを動かせ、Strict/Balanced/Openで忠実度を選べる
試験中のAIの扱いや人への引き継ぎなど、学習者向けAIの運用面の設定が揃っている
eBookや評価の編集は、変更の取り消し(Restore previous version)と会話履歴に対応している
目玉のLearner AI AgentはStarter/Pro Trainerでは使えず、Learning Centerでも申請が必要
AI動画の作成にはSynthesiaまたはHeyGenの別アカウントが必要
日本語での品質(音声、回答、UI表示)は公式資料から判断できず、試用での確認が必要
AI生成コンテンツは、公開前に人が内容を精査する前提になっている
どんな人に向いているか
今回の更新で恩恵を受けやすいのは、次のような人です。
- すでにLearnWorldsでスクールを運営している人:eBookや評価の修正をAIアシスタントでまとめて進められる
- 複数のコースを量産したい人:ソースライブラリとセッション復旧で、制作の手戻りが減る
- 受講者サポートの負担が大きい人:Learning Center以上なら、AI Agentで質問対応の一次受けを任せられる可能性がある
- 社内研修で使いたい企業:Strictモードや人への引き継ぎ設定で、運用ルールに合わせやすい
反対に、Starter/Pro Trainerで運営していて学習者向けAIが目的の場合は、プランの引き上げが必要になる点を念頭に置いてください。
よくある質問
Learner AI Agentは複数作れますか?
作れます。エージェントごとに指示、教え方、利用範囲を変えられます。
特定のコースだけで使えますか?
使えます。「Courses」の設定で、特定のコースやラーニングプログラムを選べます。
試験中にAIを使えないようにできますか?
できます。「Assessment and evidence」で「Off」を選ぶと、試験の受験中はエージェントが使えなくなります。
公開前にテストできますか?
できます。ステータスを「Draft」のままプレビューで挙動を確認し、問題なければ「Public」に切り替えます。
AI動画だけLearnWorldsの中で完結しますか?
完結しません。SynthesiaまたはHeyGenのアカウントを接続して使う仕組みです。
まとめ
今回のLearnWorldsのAI強化は、「制作を助けるAI」から「学習者を助けるAI」までを一続きにした点が特徴です。
- コース制作系のAI機能は全プランで使え、コース丸ごと生成、AI音声・動画、各種アシスタントが揃った
- 学習者向けのLearner AI AgentはLearning Center以上限定で、運用面の設定が細かく用意されている
- 日本語での品質や、日本語環境での使い勝手は、実際に試して確かめる必要がある
LearnWorldsを検討している人は、まず30日間の無料トライアルで、コース作成AIの出力が自分の用途に合うかを確かめるのが現実的です。学習者向けAIを重視するなら、Learning Centerプランの費用と有効化の申請手順を事前に確認しておきましょう。




