こんにちは、Hodaです!
メールの署名、よく使う返信文、住所、コードの雛形……。毎日のように同じ文章を打っていませんか?
RaycastのSnippets(スニペット) を使えば、これらの定型文を登録して、数文字のキーワードを打つだけでパソコンのどこにでも自動で入力できるようになります。僕は普段の作業ではこの機能を頻繁に使っています!
しかもv2ではタグ機能と、計算結果を埋め込める {calculator} プレースホルダー が加わり、さらに使いやすくなりました。
この記事では、Raycast Snippetsの基本的な使い方から、Keywordによる自動展開、Dynamic Placeholders、チーム共有、インポート、設定のコツまでを、具体的な活用例を交えて解説します。

Raycastとは?Mac・Windows・iPhoneで使える多機能ランチャーの機能と使い方をわかりやすく解説【2026年最新】
Raycast Snippetsとは?
Snippets(スニペット)は、よく使うテキストを保存しておき、必要なときにすばやく呼び出して入力できる機能です。スニペットは最近では他のツールでもよく使われる言葉になったのでイメージしやすいと思います。
保存できるのは、たとえば次のようなものです。
- メールのテンプレート
- コードのブロック
- 住所
- 絵文字の組み合わせ
- 普段何度も入力している文章全般
呼び出し方は大きく2通りあります。
- Raycastで検索して貼り付ける(Search Snippets)
- Keywordを入力して自動展開する(Auto-Expansion)
特に2つ目の自動展開が、Snippetsの一番の魅力です。ブラウザ、コードエディタ、メールクライアント、チャットアプリなど、テキストを入力できる場所ならどこでも使えます。
Snippetsでできること
まずは、Snippetsでできることを整理しておきます。
- 定型文の登録(最大65,000文字)
- Keywordによる自動展開
- Dynamic Placeholders(動的な値の埋め込み)
- タグによる整理と絞り込み
- チームでのSnippet共有(Raycast for Teams)
- JSONファイルや他の入力補助ツールからのインポート
- エクスポートによるバックアップ

Snippetの作り方
実際にSnippetを作成してみましょう。
- Raycastを開き、
Create Snippetを検索して実行する - Snippet Text欄に、保存したいテキストを入力する
- Name(名前)を付ける
- 必要に応じてKeywordを設定する(自動展開用)(キーワードについては後ほど解説します)
- 必要に応じてTagsを追加する
- Raycast Teamsに所属している場合は、Organizationを選び、個人用にするかチームで共有するかを決める

Snippetのテキストには、プレーンテキストだけでなく、書式付きのコンテンツやコードも使えます。上限は 65,000文字 ですが、これはパフォーマンス上の制限で、実際にはほとんどのSnippetがこの範囲に十分収まると思います
例えば、以下のような感じですね! {} を使った変数についても後ほどご紹介します
## 打ち合わせメモ
日付:{date}
開始時刻:{time}
### 参加者
{argument name="member"}
### 議題
{cursor}
### 決定事項
### 次回までのタスク
Keywordで自動展開する
Snippetsの核になるのが Keyword(キーワード) です。
Snippetにキーワードを割り当てると、どのアプリでもそのキーワードを入力した瞬間に、Snippetの全文に置き換わります。つまり先ほどのメールの文章のキーワードを !meeting に設定しておけば、!meeting と入力するだけでメモ帳、ブラウザ、動画編集ソフトなどどのアプリでも自動的にスニペットの文章が入力されるようになります
自動展開の流れ
- Snippetにキーワードを設定する(例:
!email、;;addr、/sig) - パソコン上の任意のテキスト欄でそのキーワードを入力する
- Raycastが自動でキーワードをSnippetの本文に置き換える

キーワードの決め方のコツ
キーワードはうっかり入力してしまうことがない文字列にするのがポイントです。
!、;;、// といった記号を先頭に付けるのがおすすめです。たとえば、単に thanks とするより、!thanks のほうが誤爆しにくく安全です。
キーワードに使える文字・使えない文字
キーワードには使えない文字があります。Raycastは一部の文字を「単語の区切り(デリミタ)」として扱うため、これらを含めると、キーワードの一部ではなく展開のトリガーになってしまうためです。
使えない文字
- バッククォート:
` - 引用符:シングルクォート
'、ダブルクォート"、およびそれらの曲線版(スマートクォート) - 空白:スペース、タブ、改行
- その他、単語の区切りとして扱われる一部の句読点
使える文字
- 文字:Latin、Cyrillic、CJKなど、あらゆるUnicodeの文字
- 数字:0〜9
- ハイフンとアンダースコア:
-と_ - 数学記号:
+=<>など - 通貨記号:
$€£¥など - ほとんどの句読点:
!;/.,@#~&など(上記の使えない文字を除く)
つまり、!email、;;addr、/sig、$price は問題なく使えます。一方、my email(スペースを含む)や it's(アポストロフィを含む)は使えません。
どのアプリ・どの入力欄でも使える
数文字入力するだけで長文を入力できる
日本語を含む、あらゆるUnicode文字をキーワードにできる
使えない文字(空白・引用符など)がある
短すぎる、または一般的な単語のキーワードは誤爆しやすい
Search Snippetsで探して貼り付ける
自動展開を使わない場合や、キーワードを忘れてしまった場合は、Search Snippetsコマンドで探せます。
Search Snippetsでは次のことができます。
- 名前、キーワード、本文の内容で検索する
- タグで絞り込む
- クリップボードにコピーする
- 開いているアプリに直接貼り付ける
- よく使うSnippetを上部にピン留めする
- 編集、複製、削除する

なお、自動展開は設定で無効にもできます。無効にしても、Snippetsそのものは使えます。その場合は、Raycastで検索して貼り付ける形になります。
Dynamic Placeholders(動的プレースホルダー)
Snippetsをさらに便利にするのがDynamic Placeholdersです。
これは、Snippetを展開するタイミングで、その場のデータに置き換わる引数のことです。同じSnippetでも、使うたびに内容が変わるため、状況に合わせた文章を作れます。
例えば、
{date}→ 今日の日付を自動で入力{time}→ 現在時刻を自動で入力{clipboard}→ クリップボードにコピーしている内容を入力{argument}→ Snippetを使うときに、その場で名前などを入力{cursor}→ Snippet展開後のカーソル位置を指定
といった使い方ができます。
例えば、以下のようなSnippetを作っておけば、
{argument name="name"} 様
お世話になっております。
本日({date})お問い合わせいただいた件についてご連絡します。
{cursor}
よろしくお願いいたします。
Snippetを使うたびに相手の名前を入力でき、日付はその日のものに自動で置き換わります。さらに、展開後は {cursor} を指定した位置からそのまま文章を書き始めることができます。
公式ドキュメントの例では、次のようなプレースホルダーが登場します。
| プレースホルダー | 用途 |
|---|---|
{date} |
日付を入力する |
{clipboard} |
クリップボードの内容を入力する |
{cursor} |
展開後のカーソル位置を指定する |
{calculator} |
計算結果を入力する(v2で追加) |
使い方のイメージ
たとえば、次のようなSnippetが作れます。
- 議事録テンプレート:キーワード
!notesを入力すると、{date}で日付が入り、{cursor}の位置にカーソルが置かれた状態でテンプレートが展開される - コードの雛形:キーワード
;;logを入力すると、console.log({cursor})に展開され、カッコの中にカーソルがある状態になる
補足
プレースホルダーはほかにもあります。使えるものの一覧は、Raycast公式のDynamic Placeholdersのドキュメントで確認してください。{clipboard} や {date} は、自動展開時に完了サウンドを鳴らす設定と相性が良いとも紹介されています。
タグでSnippetを整理する
v2では、Snippetにタグを付けられるようになりました。
Snippetが増えてくると、「どこに保存したか分からない」という状態になりがちです。タグを使えば、プロジェクト、プログラミング言語、クライアント、用途など、好きな切り口でグループ分けできます。
タグの付け方
- Snippetエディタを開く(新規作成、または既存Snippetの編集)
- Tags 欄にタグを入力する
- 新しいタグ名を入力して作成するか、既存のタグから選ぶ
あとは、Search Snippetsのタグフィルターから、特定のタグが付いたSnippetだけを表示できます。

たとえば、カスタマーサポートの返信文にクライアント別・問い合わせ種別のタグを付けておけば、必要な返信文をすぐに探せます。
チームでSnippetを共有する(Raycast for Teams)
Raycast for Teamsを使うと、チーム全員が使える共有Snippetを作れます。
次のような用途に向いています。
- サポート対応の返信文
- 会社の定型文(ボイラープレート)
- オンボーディング用のテンプレート
共有Snippetも、個人のSnippetと同じSearch Snippetsの画面で管理します。個人用のSnippetと並んで表示され、別々に絞り込むことも可能です。チームの管理者は、Raycast Teamsのダッシュボードから共有Snippetを管理できます。
他のツールからSnippetsをインポートする
すでに他のテキスト展開ツールを使っている場合も、Snippetsをインポートできます。
インポートの手順
- Raycastを開き、Import Snippetsコマンドを実行する
- ファイルを選択する
- インポートされるSnippetの内容を確認し、確定する
対応しているファイル形式(JSON)
RaycastはSnippetオブジェクトの配列を含むJSONファイルからインポートできます。各オブジェクトで使える項目は次のとおりです。
name(必須):Snippetのタイトルtext(必須):挿入される本文keyword(任意):展開のトリガーとなるキーワード
[
{
"name": "Personal Email",
"text": "sherlock@gmail.com",
"keyword": "@@"
},
{
"name": "Home Address",
"text": "221B Baker St., London"
},
{
"name": "Catchphrase",
"text": "Elementary, my dear Watson",
"keyword": "!elementary"
}
]
ファイルは .json の拡張子で保存してください。インポートのダイアログでファイルがグレーアウトして選べない場合は、Raycastが認識できない形式です。上記のJSON構造に変換しましょう。
他のツールからの移行
TextExpander、aText、Espanso、PhraseExpressといった他のテキスト展開ツールからもインポートできます。元のアプリでSnippetsをエクスポートし、Import Snippetsでそのファイルを選びます。
活用例
ここからは、具体的な活用例を紹介します。
1. メールの署名
キーワード !sig で、名前・肩書き・連絡先を含む署名全体を展開します。
2. 議事録・会議メモのテンプレート
キーワード !notes で、{date} と {cursor} を含む構造化されたテンプレートを展開します。会議の開始時に打つだけで、日付入りのフォーマットが完成します。
3. コードの雛形
キーワード ;;log で console.log({cursor}) を展開します。よく書くコードの断片を登録しておくと、入力の手間が減ります。
4. サポート対応の返信文
返信文にタグを付けて管理すれば、クライアントや問い合わせ内容ごとにすぐ絞り込めます。
5. 顔文字・絵文字
キーワード !shrug で ¯\_(ツ)_/¯ を展開します。記号が多くて入力しづらい顔文字ほど、Snippetsの恩恵が大きいです。
6. 住所・メールアドレスなどの個人情報
フォームの入力でよく使う住所やメールアドレスをキーワードで呼び出せます。
ブログ・メディア運営での使い方(アイデア)
ここからは公式の例ではなく、筆者のアイデアです。ブログやメディアを運営している場合、次のような使い方も考えられます。
- 記事の雛形(見出し構成やよく使うブロック)
- 定型の注意書きや免責文
- 問い合わせへの返信文
- よく使うマークアップやコードの断片
なお、公式サイトの ray.so/snippets では、すぐに使えるSnippetの例が厳選して公開されています。アイデアに迷ったら、そこから探すのもおすすめです。
Snippetsの設定
Raycastの設定(Settings)からSnippetsを選ぶと、展開の動作を調整できます。右上のトグルで、Snippets機能そのものを有効・無効にすることも可能です。

Snippet Expansion(展開の設定)
Enable Snippet Expansion
自動展開のマスタースイッチです。Snippetsのライブラリは残したまま、入力中の自動展開だけを止めたいときにオフにします。
Expansion Mode(展開のタイミング)
キーワードを入力してから、いつ展開するかを選べます。
- Immediately:キーワードが一致した瞬間に展開する
- After Delimiter (keeping):スペースや句読点などの区切りを入力したあとに展開し、その区切りを残す
- After Delimiter (discarding):区切りを入力したあとに展開し、その区切りは出力に含めない
Response Time
Response Time は、Snippetを展開するときの処理速度を調整する設定です。
PCや使用しているアプリによっては、処理が速すぎることでSnippetの一部が残ったり、文字が正しく入力されなかったりすることがあります。
その場合は、Response Time を Extended などの遅めの設定に変更すると改善することがあります。
Expand within Words
オフにすると、キーワードが単独の単語として入力されたときだけ展開されます。オンにすると、より長い単語の中に現れたキーワードも展開されます。
Override System Snippets(試験的機能)
オンにすると、macOS標準の「システムのスニペット」よりも先に、RaycastのSnippetsが展開されます。オフの場合は、システム側のキーワードと競合するものは、二重入力を避けるため展開がスキップされます。
Injection Delay
Raycastが展開テキストを入力するまでの待ち時間を設定します。キーワードを含む単語を普通に入力したいときに誤って展開されるのを防げます。また、入力を受け取るのが遅いアプリでも、正しく入力されやすくなります。選択肢は、None、Short、Regular、Long、Extra Longです。特定のアプリで展開が安定しない場合は、遅延を長くしてみてください。
Response Time
展開時に、Raycastがクリップボードの項目を処理する速さを調整します。選択肢は、Instant、Quick、Default、Delayed、Extendedです。特定のアプリで文字が抜けたり、途中までしか展開されなかったりする場合は、より遅い設定を試してください。
Completion Sound
Snippetが自動展開されたときに音を鳴らす設定です。長いSnippetや、{clipboard}、{date} のようなDynamic Placeholdersを使うときに、展開が完了した合図として役立ちます。
Disabled Applications
Snippetの展開を行わないアプリを指定します。初期状態で1PasswordとKeychain Accessが含まれており、パスワード入力欄での誤展開を防いでくれます。**+**ボタンから、ほかのアプリも追加できます。
Show Warning Before Deleting Snippets
Snippetを削除する前に確認を表示します。初期設定ではオンです。確認ダイアログからオフにした場合は、ここでオンに戻せます。
Commands(コマンドの設定)
次のSnippet関連コマンドには、エイリアスやホットキーを割り当てられます。
- Create Snippet:Snippetエディタを開く
- Export Snippets:バックアップや共有のためにSnippetをファイルに保存する
- Import Snippets:JSON、TextExpander、aText、Espanso、PhraseExpressからインポートする
- Search Snippets:一覧からSnippetを探して入力する
Search SnippetsのPrimary Action(メインのアクション)は、「Paste to Active App」や「Copy to Clipboard」などから選べます。自分の使い方に合わせて設定しておくと、操作がスムーズになります。
よくある疑問
キーワードを入力しても展開されない
次の点を確認してみてください。
- Settings → Snippetsで、Enable Snippet Expansionがオンになっているか
- 展開したいアプリが、Disabled Applicationsに入っていないか
- キーワードに、使えない文字(スペースや引用符など)が含まれていないか
- Expansion ModeやExpand within Wordsの設定が、入力のしかたと合っているか
- 特定のアプリだけ不安定な場合は、Injection DelayやResponse Timeを調整する
自動展開をやめても、Snippetsは使える?
使えます。自動展開をオフにしても、Raycastで検索して貼り付ける使い方はそのまま可能です。
macOSのシステムのスニペットと競合しない?
デフォルトでは、システム側のキーワードと競合するものは、二重入力を避けるために展開がスキップされます。Raycast側を優先したい場合は、Override System Snippets(試験的機能)をオンにします。
まとめ
Raycast Snippetsは、定型文の入力を大きく効率化してくれる機能です。
- 定型文を登録して、Keywordを打つだけでどこでも自動展開できる
- Dynamic Placeholdersで、日付やクリップボードの内容、カーソル位置まで制御できる
- タグで整理でき、チーム共有にも対応している
- TextExpander、aText、Espanso、PhraseExpressなどからの移行も可能
- 展開のタイミングや遅延、無効にするアプリなど、細かい設定ができる
まずは、毎日のように打っている文章を1つ、Snippetとして登録してみてください。キーワードで一瞬で展開される体験は、一度味わうと戻れなくなると思います。


