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2026年10月9日—Brand Kitが追加されました
こんにちは、Hodaです!
ElevenLabsは2026年10月9日、ElevenCreativeの新機能として 「Brand Kit(ブランドキット)」 を発表しました。
Brand Kitは、ロゴやブランドカラーを保存するだけの機能ではありません。
カラー、フォント、ロゴ、参考画像、ブランドルールなどをあらかじめ登録し、画像・動画をAI生成するときに共通のブランド情報として呼び出せる仕組みです。
これまで生成AIでブランドに沿ったクリエイティブを作る場合、
- ブランドカラーは#XXXXXX
- このフォントを使う
- ロゴは右下に配置する
- 写真は明るくミニマルにする
- 派手なグラデーションは使わない
といった条件をプロンプトへ毎回入力する必要がありました。
Brand Kitでは、こうした情報を一度まとめて設定しておき、生成時にキットを指定できます。
特にElevenCreativeでは画像だけでなく動画・音声・音楽・効果音なども組み合わせられるため、今後のAIを使った企業のコンテンツ制作を効率化する重要な機能になりそうです。

ElevenLabs Brand Kitとは?
Brand Kitは、ElevenLabsのAIクリエイティブプラットフォーム 「ElevenCreative」 に追加されたブランド管理機能です。
企業やサービスのビジュアルアイデンティティを1つのキットとしてワークスペース内に保存できます。
登録できる主な情報は次の5種類です。
| 項目 | 用途 |
|---|---|
| カラー | ブランドカラーやカラーパレット |
| フォント | ブランドで使用するタイポグラフィ |
| ロゴ | ロゴデータとその使用方法 |
| 参照画像 | 写真・構図・世界観などの参考 |
| ルール | ブランドとして行うこと・行わないこと |
ポイントは、単にこれらのファイルを保管するだけではないことです。
Brand KitをImage & Video、Flows、ElevenCreativeのAIエージェントなどから指定すると、登録したブランド情報をコンテキストとしてAI生成へ利用できます。
つまり、
「ブランド情報を毎回プロンプトに書く」
のではなく、
「ブランド情報をBrand Kitに登録して、必要なときに呼び出す」
という使い方に変わります。
Brand Kitの使い方

Brand Kitを作成するには、アセット > ブランドキットから進みます。ウェブサイトから をクリックすると簡単にそのウェブサイトのカラーをスキャンしてくれてブランドアセットを作成してくれます!
すると、以下のように自動的にロゴ、色、フォントなどを検知して表示しれくれます。以下は試しに teachable のウェブサイトをスキャンした例です

Brand Kitが必要になった理由
生成AIを一人で利用しているうちは、毎回プロンプトにブランドカラーやデザインの方向性を書いても、それほど大きな問題ではありません。
しかし企業やチームでAIを使うと状況が変わります。
たとえば5人のマーケティング担当者が、それぞれAIでInstagram広告を作るケースを考えてみます。
Aさんは、「白背景でシンプル、青をアクセントにした広告」と指示する一方で、Bさんは、「近未来的でスタイリッシュな青系広告」と入力するかもしれません。
どちらも同じブランドを意識しているにもかかわらず、生成されるデザインは大きく異なります。
さらに、
- ブランドカラーの色コードを間違える
- ロゴの位置や余白が人によって違う
- 写真の雰囲気がコンテンツごとに異なる
- ブランドでは使わないデザインをAIが生成する
といった問題も起こります。
Brand Kitはこうした 「プロンプトを書く人によってブランドが変わってしまう問題」 を減らすための仕組みです。
Brand Kitに登録できる5つの情報
1. ブランドカラー
Brand Kitにはブランドのカラーパレットを登録できます。

例えば、
- メインカラー
- サブカラー
- アクセントカラー
- 背景カラー
などを登録しておけば、画像や動画を生成するときに毎回色を指定する必要がなくなります。
特に大量のSNS画像や広告クリエイティブをAIで作成する場合に便利です。
2. フォント
ブランドで使用するフォントも登録できます。

Webサイト、広告、SNS、動画などで使用するフォントを統一しておけば、クリエイティブごとにタイポグラフィの印象が変わってしまう問題を減らせます。
ブランドカラーとフォントをセットで管理できるため、企業のデザインシステムをAI生成へ反映しやすくなります。
3. ロゴ
企業や商品のロゴもBrand Kitへ保存できます。

さらに重要なのが、ロゴそのものだけではなく、ロゴをどのように使用するかというルールも設定できることです。
例えば、
- ロゴの周囲には余白を確保する
- ロゴの色を変更しない
- 写真の上へ直接配置しない
- 小さく表示しすぎない
といったブランドガイドラインを設定する使い方が考えられます。
4. 参照画像
個人的にBrand Kitで重要だと思うのがReference Images(参照画像) です。
ブランドの世界観は、カラーコードやフォントだけでは表現できません。
例えば同じ白背景の商品写真でも、
- 自然光を使った柔らかい写真
- コントラストの強い高級感のある写真
- ミニマルなスタジオ写真
- カジュアルなライフスタイル写真
では印象が大きく異なります。
ElevenLabsによると、参照画像を利用することで、写真のスタイルや構図、ブランドのムードといった情報をモデルへ伝えられます。
5. ブランドルール(ガイドライン)
Brand Kitでは、カラーやロゴだけでは表現できないブランド独自のルールも登録できます。

例えば架空の高級スキンケアブランドなら、
- デザインはミニマルにする
- 商品を中央に配置する
- 自然光を使用した写真を基本とする
- ネオンカラーを使用しない
- コミカルなイラストを使用しない
- 過度なエフェクトを使用しない
といったルールです。
ここで重要なのは、「何をするか」だけでなく「ブランドとして何をしないか」まで設定できること です。
ブランドガイドラインをAI生成の前提条件として扱いやすくなります。
Brand Kitの使い方
Brand Kitを作成した後は、ElevenCreativeの生成画面から簡単に呼び出せます。
Image & Video、Flows、ElevenCreativeのエージェントなどでプロンプトを入力するときに、「@」を入力してBrand Kitをタグ付けします。

例えば、
@MyBrand
新商品のInstagram広告を作成してください。
夏向けの商品として、明るく爽やかな雰囲気にしてください。
といった形です。
プロンプト自体には「広告を作りたい」という今回の目的だけを書き、ブランドカラーやロゴ、フォント、ビジュアルルールについてはBrand Kit側から参照させる考え方です。
同じBrand KitをImage & VideoだけでなくFlowsやAIエージェントからも利用できるため、制作方法が変わってもブランド情報を共有できます。
実際にどのように使える?
ここからはBrand Kitが便利になりそうな具体的な利用シーンを紹介します。
ECサイトの商品広告を大量に作る
例えばShopifyで化粧品ブランドを運営しているとします。
Brand Kitには、
ブランド情報
- メインカラー:ベージュ
- アクセントカラー:ダークグリーン
- フォント:ブランド指定フォント
- ロゴ:公式ロゴ
- 写真:自然光を使った商品写真
ルール
- 白またはベージュ系の背景を使う
- 商品を大きく中央に配置する
- 過度な影を使わない
- ネオンカラーを使用しない
- ロゴを変形しない
といった情報を登録します。
そして商品写真を入力して、
@CosmeticsBrand
新しい美容液のInstagram広告を3パターン作成。
夏のキャンペーン向け。
と指示します。
毎回「ブランドカラーはこれ」「写真はこの雰囲気」「ロゴはこの位置」と説明する必要がなくなります。
さらにElevenCreativeのFlowsと組み合わせれば、商品写真を入力すると広告用画像や動画を生成する一連の制作工程を再利用可能なパイプラインにすることも考えられます。
Flowsは画像・動画・音声・音楽・効果音などの生成処理をノードとしてつなぎ、同じ処理を繰り返し実行できる仕組みです。
SNS投稿のデザインを統一する
SNS運用では、投稿頻度が増えるほどデザインがバラバラになりやすくなります。
Brand Kitを設定して、
@MyBrand
AI音声入力について紹介するLinkedIn投稿用の画像を作成。
@MyBrand
同じテーマでInstagram用の縦長画像を作成。
@MyBrand
YouTube Shorts向けの動画を作成。
のように利用すれば、フォーマットが違っていても同じブランドガイドラインを基準に生成できます。
特に複数の担当者がSNSを運営している企業では効果が大きそうです。
YouTubeや動画広告をブランド化する
ElevenCreativeは画像生成だけのツールではありません。
画像、動画、Text to Speech、音楽、Sound Effectsなどを同じ制作環境で扱えます。
そのためBrand Kitを使って、
- ブランドに沿った商品画像を生成
- 画像から動画を生成
- ナレーションを追加
- BGMを追加
- 効果音を追加
- 広告動画として出力
といった制作フローを作ることもできます。
これまでブランド管理というとPhotoshopやCanvaなどの静止画デザインを中心に考えることが多かったですが、ElevenCreativeでは画像・動画・音声まで含めたAIコンテンツ制作基盤へ広がっている点が特徴です。
制作会社がクライアントごとにBrand Kitを作る
Brand Kitは制作会社や広告代理店とも相性が良い機能です。
例えば10社のクライアントを担当している場合、
@Client-A
@Client-B
@Client-C
のようにクライアントごとのBrand Kitを作成できます。
A社の広告を制作するときはA社のキット、B社のYouTube動画を制作するときはB社のキット、と切り替えて利用できます。
ElevenLabsも、代理店や複数ブランドを管理するチームではブランド・クライアントごとにキットを作成して切り替えられると説明しています。
制作担当者が変わるたびに、
「このクライアントのロゴはこちらです」
「この色は使わないでください」
「写真はこういう雰囲気です」
と説明し直す必要を減らせるのは大きなメリットです。
Flowsとの組み合わせが重要
Brand Kit単体でも便利ですが、ElevenCreativeのFlowsと組み合わせることでさらに価値が高くなります。
Flowsは、画像生成・動画生成・音声・リップシンク・音楽・効果音などをつないで、クリエイティブ制作工程そのものを再利用できる機能です。
例えばECブランドなら、
商品画像
↓
ブランドに沿った背景を生成
↓
広告用コピーを追加
↓
動画化
↓
ナレーション
↓
BGM
↓
広告動画完成
というワークフローを作れます。
ElevenCreativeでは多数の画像・動画モデルに加え、ElevenLabsの音声モデルを同じFlows内で組み合わせられます。
ここへBrand Kitが加わることで、
制作手順をFlowsで固定し、ブランドルールをBrand Kitで固定する
という運用ができます。
毎回ゼロからAIへ指示して1本の画像を作るのではなく、「ブランド専用のAI制作ライン」を作るようなイメージに近くなります。
チームで使うメリットが大きい
Brand Kitは一人で利用しても便利ですが、特に価値が大きいのはチーム利用です。
キットはElevenCreativeのワークスペース内に保存されるため、チームメンバーが同じブランドガイドラインを参照できます。
例えば、
- マーケティング担当
- SNS担当
- 動画担当
- 広告担当
- デザイナー
がそれぞれ生成AIを利用していても、共通のBrand Kitを指定できます。
従来のようにブランドガイドラインPDFを共有して「これを読んで作ってください」とするだけではなく、制作時に利用するAIそのものへブランド情報を持たせられるという違いがあります。
生成AIを組織的に導入する企業が増えるほど重要になってくる機能でしょう。
多言語広告との相性も良い
ElevenCreativeではコンテンツを90以上の言語へローカライズできると案内されています。
例えば、
日本向け
@MyBrand
この商品の日本向けInstagram広告を作成
スペイン向け
@MyBrand
同じキャンペーンのスペイン向け広告を作成
英語圏向け
@MyBrand
同じキャンペーンの英語版動画広告を作成
と展開しても、ブランドのビジュアルルール自体は共通化できます。
グローバルに広告・SNS・商品動画を大量制作する企業にとっては、Brand KitとElevenCreativeのローカライズ機能の組み合わせも有効でしょう。
Brand Kitと一般的な「ブランドキット」の違い
Canvaなど、これまでにも「Brand Kit」と呼ばれる機能は存在します。
一般的なブランドキットでは、
- ロゴ
- ブランドカラー
- フォント
などを保存して、デザイン制作時に簡単に呼び出せる仕組みが中心です。
ElevenCreativeのBrand Kitもこれらを扱いますが、さらに参照画像やブランドルールを生成AIのコンテキストとして利用するという点が特徴です。
つまり、
素材を素早く選択するためのBrand Kit
から、
AIにブランドを理解させるためのBrand Kit
へ進んだものと考えると分かりやすいでしょう。
特に「ブランドとして何をしないか」というルールまで持たせられる点は、生成AIとの相性が良い設計です。
Brand Kitを使う際の注意点
便利な機能ですが、Brand Kitを登録すればブランドガイドラインに100%準拠した成果物が必ず生成される、と考えるべきではありません。
生成AIである以上、
- ロゴの再現
- テキストの配置
- 色の使われ方
- 写真の構図
- ブランドルールへの適合
などは、最終的に人間が確認した方が安全です。
特に企業広告や公式キャンペーンなど、ブランドガイドラインへの厳密な準拠が求められるコンテンツでは、Brand Kitを制作支援・一貫性を高める仕組みとして利用し、最終確認を行う運用が良いでしょう。
また、Brand Kit自体の利用可能プランや追加料金については、2026年10月12日時点の公式発表では明確なプラン条件が案内されていません。
ElevenCreativeにはFree、Starter、Creator、Pro、Scale、Business、Enterpriseなどの料金プランがありますが、Brand Kitがどのプランまで利用できるかについては、利用画面や最新の料金ページで確認することをおすすめします。
今後は「ブランドの声・サウンド」にも拡張予定
今回のBrand Kitは、まずVisual Identity(ビジュアルアイデンティティ) を中心とした機能です。
しかしElevenLabsはすでに、Brand Kitをビジュアル以外へ拡張する予定であることを明らかにしています。
その最初の対象として挙げられているのが、ブランドのVoice(声)とSound(サウンド) です。
これはElevenLabsらしい方向性です。
将来的には、
- ブランドカラー
- ロゴ
- フォント
- 写真スタイル
- 動画スタイル
- ブランドルール
- ブランド専用AI音声
- ブランドサウンド
- BGMの方向性
まで1つのBrand Kitとして管理できる可能性があります。
例えば「この企業の動画なら毎回同じAIナレーター、同じ映像トーン、同じ音楽の方向性」といった仕組みが実現すれば、Brand Kitは単なるデザイン機能ではなく、企業のAIコンテンツ制作全体を管理する基盤になっていきそうです。
まとめ
ElevenLabsが2026年10月9日に発表したBrand Kitは、ElevenCreativeでブランドに沿ったコンテンツを生成しやすくする新しい仕組みです。
カラー、フォント、ロゴ、参照画像、ブランドルールを一度登録しておき、Image & Video、Flows、ElevenCreativeのエージェントなどから@で呼び出せます。
特に便利なのは、
- 大量の商品画像を作るECサイト
- SNS投稿を大量制作する企業
- AIで広告動画を作るマーケティングチーム
- 複数人でコンテンツ制作を行う企業
- 多数のブランドを扱う制作会社・広告代理店
- 多言語でコンテンツを展開するグローバル企業
などでしょう。
これまで生成AIでは「毎回同じブランド説明をプロンプトへ書く」という作業が必要でした。
Brand Kitはそのブランド情報をプロンプトではなくワークフロー側へ移す機能です。
さらにFlowsを使えば制作工程そのものも再利用できるため、
Brand Kitでブランドを固定する
+
Flowsで制作工程を固定する
という使い方ができます。
ElevenLabsはもともとAI音声サービスとして知られていましたが、現在のElevenCreativeは画像、動画、音声、音楽、効果音、ローカライズまで扱う総合的なAI制作環境へ拡大しています。
今回のBrand Kitは、そのElevenCreativeを個人向けの生成ツールから、企業が継続的にブランドコンテンツを制作するためのプラットフォームへ近づけるアップデートと言えそうです。






