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Shopify「Spring '26 Editions」発表!日本のEC事業者が注目すべき新機能まとめ

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最終更新日: 2026年6月25日

Shopifyは年2回(春・秋)、プラットフォーム全体の新機能をまとめて発表する「Shopify Editions」を公開しています。今回の「Spring '26 Editions」も、AIエージェント対応の強化、オンラインストア運営の効率化、決済・チェックアウトの改善、開発者向けツールの拡充など、非常に広範囲な内容となりました。

発表された機能は150以上にのぼりますが、その中には米国限定・Shopify Plus限定・特定地域限定のものも多く含まれています。この記事では、日本でShopifyストアを運営している方にとって特に関連性が高い項目を中心にピックアップして解説します。

なお地域限定の機能についても、今後のローカライズの参考として注記つきで触れています。


1. AIエージェント・Sidekick関連の新機能

今回のEditionsで最も強調されていたのが「Agentic(エージェント型)コマース」です。ChatGPTやCopilotなどのAIチャットを経由した買い物が本格的に商流に組み込まれ始めています。

Sidekick
Sidekick
  • Shopify Catalogによる商品データの自動整備:商品データを自動で標準化・補完し、AIチャット上での表示や提案に使われやすい形に整えてくれる機能です。ChatGPTやPerplexityなどのAIエージェント経由の購買が今後増えることを見据えると、商品情報の整備は今のうちから意識しておく価値があります。
  • Universal Commerce Protocol (UCP) によるチャット内チェックアウト:CopilotのチャットでShop Payを使ってそのまま購入を完了できる仕組みです。Meta広告への対応も予定されています。現時点では英語圏中心の展開とみられますが、AIエージェント経由の購入フローという新しい潮流として注目しておきたい機能です。
  • Catalog API / Cart API / Checkout API(MCP対応):開発者向けに、商品検索・カート操作・決済をAIエージェントから直接呼び出せるAPI群が整備されています。画像から類似商品を検索する機能や、商品IDやURLから最大50件の商品情報を一括取得する機能なども含まれます。自社でAIエージェント向けの購買体験を構築したい事業者は要チェックです。
  • Sidekickが対応アプリと連携:Judge.me、Klaviyo、Loop、Smileなど主要パートナーアプリについて、Sidekickがアプリ内の情報を参照して質問に回答したり、操作を代行できるようになりました。Klaviyoなどは日本のEC事業者でも利用が多いメールマーケティングアプリなので、今後の対応アプリ拡大にも注目です。
  • Sidekick Pulse(管理画面でのタスク提案):管理画面を開くたびに、集客・コンバージョン改善・リピート購入促進などの具体的なアクション提案が表示されるようになりました。
  • Sidekickのフォローアップ質問機能:指示が曖昧な場合、Sidekickが選択式の質問を返してくれるため、意図のすり合わせがスムーズになります。
  • Sidekickのマルチタスク対応:別のチャットを開いたりウィンドウを閉じても、Sidekickはバックグラウンドで処理を継続してくれます。
  • Sidekickが生成したアプリの編集機能強化:コード編集、デスクトップ/モバイルでのプレビュー、バージョン履歴の確認が可能になりました。
  • スマホからもSidekickを呼び出し可能:Shopifyアプリ(モバイル)のどの画面からでも、テキストまたは音声でSidekickに相談できます。
  • Sidekickによる顧客データの自動入力:自然言語で顧客の特徴を伝えると、Sidekickが顧客作成フォームを自動入力してくれます。
  • Shopify FlowのテストイベントをSidekickが生成:ワークフローのロジックが正しく動くか、Sidekickに依頼してテストイベントを作成・検証できます。

2. オンラインストア運営・マーケティングの新機能

ストア運営の効率化や売上向上に直結する機能が多数追加されています。

ストア運営・コンバージョン改善

  • Shopify Inboxの「AIセールスアシスタント」:チャット上でAIが商品提案を行います。Shopアカウントでログインした顧客には、過去の履歴に基づいたレコメンドも可能です。
  • 検索結果の精度向上:入力ミスや表現の揺れがあっても、より関連性の高い検索結果を返せるようになりました。 日本語への対応は未確認。
  • SimGymによるストア診断:AIがシミュレートした「仮想の買い物客」がテーマを実際に操作し、改善点を提案してくれる新機能です。
  • オンラインストア・チェックアウトのA/Bテスト(Rollouts):新しいテーマやチェックアウト設定、顧客アカウント設定を、指定した日時に公開したり、A/Bテストとして段階的に展開できます。
  • マーケットの売上をグラフで可視化:各マーケット(販売地域)ごとの割引・商品設定などを、グラフで横断的に確認できるようになりました。海外展開をしている事業者には便利な機能です。
  • モバイルでのストア編集性向上:Shopifyアプリ上でのストア編集が、モバイル操作に最適化されたUIになり、編集中もプレビューを見ながら作業できます。Sidekickも編集画面に統合されています。
  • バリアント単位の公開設定:商品のバリアント(色・サイズなど)ごとに、販売チャネルやマーケットでの公開・非公開を細かく制御できるようになりました。
  • マーケットごとのテーマ翻訳とA/Bテスト:マーケットごとに翻訳したテーマを、公開前にA/Bテストで検証できます。
  • マーケット別ディスカウント:地域・店舗・B2B設定ごとに、ターゲットを絞ったプロモーションを実施できます。
  • 商品コンプライアンス表示:法令上必須となる警告表示などを商品に追加し、オンラインストアだけでなくAIチャネルやShopアプリ上にも表示できます。
  • 複数の商品割引の重ね掛け(スタッキング):1つの注文内で、パーセント割引と固定額割引など複数の割引を併用できるようになりました。これまで「割引の併用ができない」という制約に困っていた事業者には朗報です。
  • 顧客アカウントページのリニューアル:ナビゲーションの見直し、ブランドに合わせたサインインページ、初回購入者向けのレコメンド表示などが追加されました。
  • 365日間のログイン保持:顧客アカウントのログイン状態が最長1年間維持されるようになり、再ログインの手間が減ります。
  • Shopify Smart Pricing アプリ:売上・在庫・コスト・季節性などのデータに基づいて、商品単位の価格調整のヒントを提案してくれるアプリです。
  • PC(ラップトップ)での編集体験向上:テーマ・チェックアウトエディタで、セクションと設定項目を並べて表示できるようになりました。
  • B2B機能が複数プランで利用可能に:これまで上位プラン限定だった企業プロフィール、ボリューム割引、B2Bカタログ(最大3つ)などが、Basic・Grow・Advancedプランでも追加コストなしで利用できるようになりました。B2B販売を検討している事業者には大きな改善です。

なお、「Shopify Collective」(米国の卸・ドロップシッピング向けマーケットプレイス機能)に関する更新も複数発表されていますが、現状は主に米国市場向けの機能のため、日本のEC事業者にはあまり関係がない可能性が高い点にご留意ください。

マーケティング関連

  • Campaign Autopilot:AIが学習・最適化を行いながら、複数チャネルにわたる広告キャンペーンを自動運用してくれる新機能です。実行する範囲はガードレール(制約条件)で自分でコントロールできます。
  • Shop Campaignsの対応チャネル拡大:ChatGPT、Pinterest、Microsoft Monetize(プログラマティック広告)などへの出稿が、1つのキャンペーン設定でまとめて可能になりました。ただしShopアプリ自体の日本での普及度はまだ高くないため、効果は今後の展開を見ながら判断したいところです。
  • WhatsAppマーケティングチャネル:Shopify Messaging上でWhatsAppキャンペーンの作成・管理が可能になりました。日本ではLINEが主流のため、優先度は低めの機能と言えそうです。
  • SMS自動化:Shopify Messaging上でSMSのマーケティングオートメーションを構築できるようになりました。
  • スマートメール配信:コンバージョンを最適化する形で、配信するメールと保留するメールをAIが自動で判断してくれます。
  • マーケティングデータの分析画面統合:広告費・ROAS・インプレッション・セッション数などのマーケティングデータを、売上データと並べて分析画面で確認できます。
  • 割引リンクとキャンペーンの紐付け:割引リンク経由の流入・コンバージョンを、キャンペーン単位で正確に追跡できます。
  • Google Shopping/Metaでの固定バンドル表示:事前設定したバンドル商品を、Google検索・広告、YouTube、Facebook、Instagramに掲載できます。
  • サインイン画面でのマーケティング同意取得:顧客のサインインページでメールマーケティングへの同意を取得できるようになりました。

3. 決済・ファイナンス関連の新機能(日本未対応の機能に注意)

決済領域は今回かなり多くの更新がありましたが、その大部分が米国・カナダ・EU・中南米など特定地域限定であり、日本のShopify Payments利用者がすぐに使えるものは限られる点にまず注意が必要です。

グローバルに関連性が高いもの

  • 決済方法の動的な並び替え:チェックアウト画面で、コンバージョンしやすい決済方法が優先的に上位表示されるようになりました。
  • 配送と店舗受け取りの混在チェックアウト:1つの注文の中で、商品ごとに「配送」と「店舗受け取り」を選べるようになりました。実店舗を持つ事業者には便利な機能です。
  • チャージバック(紛争)の詳細インサイト:紛争が発生した理由や、勝訴・敗訴の背景、対応に役立つエビデンスの提示など、より具体的な情報が確認できるようになりました。
  • 不正利用対策の強化:機械学習モデルの改善により、カードテスティング(不正利用の試行)の検知精度が向上しています。
  • チャージバック対応状況のモニタリング:チャージバック率を改善するためのアラートやガイダンスが提供されます。
  • チェックアウトのリニューアル:配送オプションが見やすくなり、購入ボタンが強調されるなど、モバイルでの操作性とコンバージョン率向上を意識したデザインに更新されました。
  • チェックアウト・顧客アカウント・サインインのブランディング統一:ロゴ・カラー・フォントを一度設定すれば、チェックアウトから顧客アカウント、サインインページまで一括で反映されます。
  • Checkout Blocksでの注文金額制限:最小・最大の注文金額を設定し、条件外の注文はチェックアウトできないように制限できます。

現時点では地域限定(日本未対応)の機能

以下は今回発表されたものの、対象地域が限定されているため、日本では現時点で利用できない(または見通しが立っていない)機能です。今後のグローバル展開の参考としてご覧ください。

  • Shop Payの全プラットフォーム展開(主に米国中心の訴求)、Meses Sin Intereses(メキシコの分割払い)
  • UAEでのShopify Payments対応(Shopify Plus限定)
  • 米国・香港・シンガポールでの多通貨での資金受け取り(フランス対応も予定)
  • MobilePay・TWINT・BLIK・Przelewy24など欧州の地域決済方法
  • USDC(暗号資産)でのキャッシュバック・決済対応
  • VAT ID検証(EU・英国向け)、住所自動補完の精度向上(米国・カナダ・オーストラリア・フランス・オランダ)

また、Shopify BalanceやShopify Capitalに関する更新(広告費キャッシュバック、現金チャージ、フランスでの資金提供拡大など)も、基本的に米国・一部地域限定のサービスのため、日本では対象外です。


4. 開発者・アプリ開発者向けの新機能

Shopify上でアプリやテーマを開発・提供している事業者にとって、特に見ておきたい更新です。

  • AIコーディングツールからのストア管理(Shopify AI Toolkit):Claude Code、Codex、Cursor、Hermesといったツールから、ストア・アプリ・テーマの構築や管理を行えるようになりました。
  • Dev Dashboardの日本語ローカライズ:管理画面・ナビゲーションのUIテキストが日本語化され、日本語環境での開発・開発用ストア管理がしやすくなりました。日本語サポートの有無は開発者にとって地味ながら重要なポイントです。
  • Webhookの発火条件の細かい制御:特定フィールドの変更時のみ発火するよう設定したり、カスタムGraphQLクエリで必要なデータだけを受け取れるようになりました。
  • CLIからのGraphQL・バルク操作実行:Shopify CLI経由で、認証やステータス管理込みでクエリやバルク操作を実行できます。
  • Dev Dashboardの統合:開発用ストア、クライアント移管用ストア、コラボレーター用ストアが1つの画面に統合されました。
  • App Events API:アプリ側で発生したイベントをShopifyに送信し、Dev Dashboard上でパフォーマンスを監視できます。
  • Polarisドキュメントのリニューアル:サンプルコードや利用例が充実し、ナビゲーションも改善されました。
  • Shopify CLIの自動アップグレード・セマンティックバージョニング:マイナー・パッチバージョンは自動更新され、メジャーバージョンは明示的なオプトインが必要になります。
  • アプリデプロイの安全性向上:CI/CDパイプラインで、既存の拡張機能を誤って削除せずにデプロイできるようになりました。
  • Metafields/Metaobjects APIの簡素化:よりシンプルなGraphQL APIで読み書きできるようになりました。
  • バックエンド不要のアプリ開発(App Home):サーバーを用意・運用せずに、管理画面内に直接アプリのホーム画面を構築できます。軽量なアプリを作りたい個人開発者にとって参入障壁が下がる変化です。
  • Shopify App Pricingによる課金設定の簡素化:従量課金・継続課金・ハイブリッド課金などの料金モデルを、アプリ申請時に設定するだけで、プラン選択・課金承認・請求書発行までShopifyが一括して処理してくれるようになりました。PageFlyやGemPagesのような有料プランを持つアプリの料金体系を理解する上でも、今後この仕組みが各アプリにどう反映されるか注目したいポイントです。
  • Hydrogenの全面リニューアル:Vercelとの協業により、Next.jsを含む任意のフレームワークで利用できるようになり、AIエージェント対応も念頭に再設計されています。
  • アプリのセキュリティ強化:パブリックアプリが、OAuth 2.0準拠のリフレッシュフローを伴う有効期限付きトークンを使用するようになりました。
  • Shopify Dev MCPの最適化:レスポンスのトークン使用量を抑えつつ精度を維持し、全APIバージョンに対応しました。AIアシスタントを使った開発がより効率的になります。

5. その他の注目機能(在庫・出荷/実店舗POS/管理画面)

ECの裏側の運用効率化に関わる機能も多く発表されています。

在庫・出荷関連

  • Sidekickによる発注書の自動作成(作成時に転送指示も自動生成)
  • バーコードスキャンによる入荷処理の高速化
  • 在庫の追跡をロケーションごとの販売状況と分離して管理できる機能
  • 注文をまとめてピック・パック・スキャン・発送できる「バッチ発送」ワークフロー
  • 配送条件(注文金額・重量)を組み合わせた配送オプションのカスタマイズ性向上

実店舗・POS関連(実店舗を運営している場合)

  • POS v11による会計処理の高速化(新規顧客作成・商品追加・チェックアウトの時短)
  • QRコードを使った店内割引の適用
  • 返品・交換・新規販売を1つのカートでまとめて処理できる機能
  • レジ周りの現金管理(カウント・監査ログ)の強化

管理画面・分析関連

  • 分析(アナリティクス)画面での日次インサイト表示、散布図・レーダーチャートなど新しいビジュアライゼーション
  • 指標ごとの目標設定とトラッキング
  • メタフィールドでの分析の絞り込み・グルーピング
  • Shopify Flowへのコードエディタ導入(シンタックスハイライト・自動補完対応)

まとめ

今回の「Spring '26 Editions」を通して見えてくるのは、Shopifyが「AIエージェント経由の購買体験(エージェンティックコマース)」を次の主戦場として明確に位置づけている、という方向性です。Sidekickの強化やCatalog API、UCPによるチャット内チェックアウトなど、関連する発表が非常に多く盛り込まれていました。

一方で、決済・ファイナンス領域の新機能は地域限定のものが目立ち、日本のShopify Payments利用者がすぐに恩恵を受けられるものは現時点では限定的です。とはいえ、複数割引の併用やB2B機能の開放、Dev Dashboardの日本語対応など、日本のEC事業者にも直接メリットのある改善も含まれているため、今後のローカライズ展開と合わせて注視していきたいところです。


本記事はShopify公式の「Editions」発表ページの内容に基づき、日本のEC運営者向けに関連性の高い項目を中心にまとめたものです。各機能の詳細な提供開始時期や対象プランについては、Shopify公式の発表内容をあわせてご確認ください。

著者(私が書きました)

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フリーランスエンジニア・Webデザイナー · 写真家・動画編集者

フリーランスエンジニア・Webデザイナー。Kajabi・Shopify・Thinkificなどの海外SaaSを中心に、サイト構築や収益化の仕組みづくりを行っています。

WordPress・Next.js・Supabase・Hugoなどを活用したWeb開発から、動画制作・IT翻訳まで幅広く対応するジェネラリストとして活動。実際に海外ツールを活用しながら、個人でのオンラインビジネスやコンテンツ販売にも取り組んでいます。

これまでに40カ国以上を訪問し、カナダ・ポーランド・リトアニア・デンマークなどでの海外生活を経験。リトアニアの大学で国際ビジネスを学んだ後、現在はスペインを拠点に活動しています。

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Jonas R.

Jonas R.

海外ツールリサーチ・記事レビュー担当

リトアニア出身。現在は欧州の大手IT企業に勤務し、ソフトウェア開発およびデジタルプロダクト分野で10年以上の実務経験を持つ。

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