こんにちは、Hodaです。
ChatGPTなどの生成AIが普及したことで、商品の探し方も少しずつ変わってきました。
これまではGoogleで「ランニングシューズ おすすめ」のように検索し、検索結果からECサイトを訪問するのが一般的でした。
一方、これからは、
- 「雨の日でも使える通勤用のバッグを探して」
- 「6歳くらいの子ども向けの綿素材のパジャマを教えて」
- 「料理好きの人に5,000円以内でプレゼントを探して」
とAIに相談し、そのまま商品を比較・検討するケースが増えていくと考えられます。
そこでShopifyが用意している仕組みのひとつが、Shopify Catalogです。
Shopify Catalogを利用すると、Shopifyに登録している商品情報をもとに、AIやShopなどが商品を検索・理解しやすい構造化データとして利用できるようになります。
今回は、Shopify Catalogとは何なのか、ストア運営者側で設定が必要なのか、そしてAI検索時代にどのような商品情報を登録しておくべきなのかを解説します。
Shopify Catalogとは?

Shopify Catalogは、Shopifyストアで販売されている対象商品の情報をまとめた、構造化された商品情報のデータソースです。
Shopifyに登録している、
- 商品タイトル
- 商品説明
- 商品画像
- 商品カテゴリー
- バリエーション
- オプション
- 価格
- 在庫状況
などの商品情報をもとに、AIやショッピングサービスが商品を検索・理解できる形に整理します。
たとえばAIに、
「150ドル以下で買える黒いレザーのショルダーバッグ」
と質問したとします。
AI側では単純に「バッグ」という単語だけを探すのではなく、
- 商品カテゴリー
- 色
- 素材
- 価格
- 在庫
- サイズ
- バリエーション
などの情報を組み合わせながら、条件に合った商品を探す必要があります。
Shopify Catalogは、このようなAIによる商品検索を行いやすくするための商品データ基盤と考えるとわかりやすいです。
B2Bの「カタログ」とは別の機能
Shopifyでは「Catalog」という言葉が複数の意味で使われるため、少し注意が必要です。
たとえばShopifyには、B2Bの取引先ごとに商品や価格を変更するための 「カタログ」機能 もあります。
今回紹介しているShopify Catalogは、B2B向けの価格設定機能とは別物です。
今回のShopify Catalogは、Shopifyの商品情報をAIや外部サービスが理解・検索できるようにするためのデータ基盤を指しています。
検索するとB2Bのカタログ設定についての記事も多く表示されるので、混同しないようにしましょう。
Shopify Catalogが注目されている理由
大きな理由は、商品の探し方が「検索エンジン中心」から「AIとの会話」へ広がり始めているためです。
通常、人間であれば商品ページを見ながら、
- 「これは子ども向けだな」
- 「写真を見ると黒っぽい」
- 「説明を見る限りアウトドアでも使えそう」
と、ある程度推測できます。
しかしAIが大量の商品から適切な商品を探すためには、それぞれの商品についてできるだけ正確な情報が必要です。
たとえば、
「6歳向けのコットン製パジャマ」
を探す場合、
- パジャマなのか
- 子ども向けなのか
- 素材がコットンなのか
- 6歳前後のサイズがあるのか
- 在庫があるのか
- 価格はいくらなのか
といった情報を判断する必要があります。
そこでShopifyが商品情報を一定の形式に整理し、AIが理解しやすくしているのがShopify Catalogです。
Shopify Catalogでは商品情報が整理・補完される
Shopify Catalogは、単純に商品ページの文章をAIへ送っているだけではありません。
Shopifyに登録されている商品情報をもとに、商品カテゴリーや属性などを構造化します。
たとえばShopifyでは、商品をShopify Standard Product Taxonomyと呼ばれる標準の商品分類へマッピングします。
さらに商品情報が十分に明確であれば、
- 色
- 素材
- パターン
- サイズタイプ
- 年齢層
などの商品属性を推測する場合もあります。
その結果、単純に「パジャマセット」という商品名だけではなく、
「子ども向けの寝間着で、綿素材を使用し、このサイズとカラーがあり、現在この価格で在庫がある」
といった形でAIが商品を理解しやすくなります。
つまり、Shopifyの商品登録を丁寧に行うことが、そのままAIから商品を理解してもらうための対策にもなるということです。
Shopify Catalogは自分で作成する必要がある?
基本的にはありません。
Shopify Catalogの対象条件を満たしているストアや商品であれば、商品情報は自動的にShopify Catalogへ含まれます。
Google Merchant Centerなどのように、AIサービスごとに専用の商品フィードを一から作成する必要はありません。
普段通りShopifyの商品管理画面から、
- 商品名
- 商品説明
- 画像
- カテゴリー
- バリエーション
- 価格
- 在庫
などを管理していけば、その情報がShopify Catalogの基礎になります。
これはストア運営者にとってかなり大きなメリットです。
今後AIショッピングサービスが増えるたびに、それぞれ専用の商品データを準備するとなると管理が非常に複雑になります。
Shopify Catalogが共通の商品データ基盤になることで、その負担を減らせます。
すべての商品が掲載されるわけではない
ただし、Shopifyで商品を販売しているからといって、必ずすべての商品がShopify Catalogへ含まれるわけではありません。
ストアや商品には一定の対象条件があります。
たとえば、
- 対応しているマーケットで販売されていること
- Shopifyの商品ポリシーを満たしていること
- 商品価格が0より大きいこと
- 商品やストアが一定の品質・安全要件を満たしていること
などが条件になる場合があります。
また、Shopify Catalogへ商品が含まれたからといって、ChatGPTなどのAI検索結果に必ず表示されるわけではありません。
ここは非常に重要なポイントです。
Shopify Catalogは商品情報をAI側へ提供するための仕組みであり、最終的に、
「どの商品を表示するか」
「どの商品を上位に表示するか」
「どのような文章で紹介するか」
を決めるのは、それぞれのAIサービスです。
Shopify Catalogへの登録=AI検索の上位表示を保証する仕組みではありません。
AIはShopify Catalogをどのように利用する?
大きく分けると、主に2つの使い方があります。
商品を検索する
たとえば利用者が、
「岩場を歩くのに適したトレイルシューズを探して」
とAIに依頼した場合です。
AIはShopify Catalogから条件に近い商品を検索し、
- 商品名
- 商品説明
- 画像
- 価格
- 在庫
- バリエーション
- カテゴリー
- 商品属性
などの情報を取得できます。
その情報をもとに、AI側がどの商品を利用者へ紹介するかを判断します。
特定の商品情報を確認する
もうひとつは、すでに商品が決まっているケースです。
たとえば利用者が商品URLをAIへ渡して、
「この商品のサイズ違いはある?」
「この商品と別の商品を比較して」
と質問する場合です。
このような場合にも、Shopify Catalogから現在の商品価格や在庫、バリエーションなどを取得できれば、古いキャッシュや過去の情報ではなく、より新しい商品情報を使って回答できます。
ChatGPTなどのAIショッピングとの関係
Shopify Catalogの商品情報は、対応するAIチャンネルの商品検索やレコメンドに利用できます。
Shopify公式では、例としてChatGPTやMicrosoft Copilotなども挙げられています。
また、Shopifyは「Agentic Storefronts」という仕組みも展開しています。
これは簡単に言えば、AIエージェント上で商品を発見し、そのまま購入まで進めるような新しいショッピング体験です。
Shopify Catalogは、そのようなAIショッピングに商品情報を提供するための重要な基盤になります。
従来のECでは、
Google検索 → Shopifyストア → 商品ページ → カート → チェックアウト
という流れが一般的でした。
これからは、
AIに相談 → 商品を比較 → 商品を選択 → 購入
という流れも増えていく可能性があります。
Shopify Catalogは、この新しい購入経路にShopifyの商品をつなげるための仕組みとも言えます。
AIに商品を見つけてもらうために重要なこと
では、Shopifyストア運営者側では何をすればいいのでしょうか。
特別なAI専用ページを作ることよりも、まずは Shopifyの商品情報を正確かつ具体的に登録することが重要です。
商品タイトルをわかりやすくする
商品名だけを見ても、何の商品なのかわかるようにします。
たとえば、
「Classic 01」
だけでは商品内容がほとんどわかりません。
可能であれば、
「メンズ コットン オーバーサイズTシャツ」
など、商品そのものを理解できるタイトルの方がAIにも人間にもわかりやすくなります。
ただし、キーワードを不自然に大量に詰め込む必要はありません。
商品説明を詳しく書く

商品説明には、購入者が判断するために必要な情報を記載します。
たとえば、
- 素材
- サイズ
- 寸法
- 用途
- 対応製品
- お手入れ方法
- 成分
- 認証
- 対象年齢
などです。
AIはこれらの情報を利用して、「利用者が探している条件に合っているか」を判断できます。
商品カテゴリーを正しく設定する

Shopifyの商品カテゴリーも重要です。
正しいカテゴリーを設定することで、Shopify側が商品の属性を判断しやすくなります。
似たようなカテゴリーが複数ある場合でも、できるだけ実際の商品に近いカテゴリーを選択しましょう。
バリエーション名を整理する
商品オプションについても、
- サイズ
- カラー
- 素材
- 数量
- スタイル
など、意味のわかる名称を使用します。
たとえば「Option 1」「Type A」のような曖昧な名称よりも、「カラー:ブラック」「サイズ:M」のように整理されている方が商品データとして利用しやすくなります。
商品画像を充実させる
商品画像も重要な商品情報のひとつです。
単純なイメージ写真だけではなく、
- 商品全体
- 細部
- 使用イメージ
- サイズ感
- カラーバリエーション
などがわかる写真を用意しておくとよいでしょう。
価格と在庫を最新に保つ
AIが商品を紹介したにもかかわらず、
「実際に商品ページへ行ったら在庫切れだった」
「AIが紹介した価格と実際の価格が違った」
となれば、購入体験は悪くなってしまいます。
そのため価格や在庫についても、Shopify上で常に正しい情報を管理しておくことが重要です。
これはSEOではなく「GEO」にも関係する
これまでECサイトの集客では、Googleなどの検索エンジンを意識したSEOが非常に重要でした。
もちろん今後もSEOが不要になるわけではありません。
一方で、生成AIから商品やサービスを発見してもらうための考え方として、**GEO(Generative Engine Optimization)**という言葉も使われるようになっています。
Shopify Catalogへの特別なSEO設定があるわけではありませんが、
- 商品タイトルをわかりやすくする
- 詳細な商品説明を書く
- 商品カテゴリーを正しく設定する
- バリエーションを整理する
- 価格や在庫を最新にする
といった基本的な商品情報の品質が、AIによる商品理解にもつながります。
つまり、SEOだけを目的にキーワードを入れるのではなく、商品について正確な情報を構造的にShopifyへ登録することがこれまで以上に重要になってきます。
AIチャンネルごとのアクセスは管理できる
Shopify Catalogそのものから完全にオプトアウトすることはできません。
ただし、Agentic Storefrontsについては、Shopify管理画面から個別のAIチャンネルによる商品データへのアクセスを管理できます。
つまり、
「Shopify Catalogから商品情報そのものを削除する」
のではなく、
「特定のAIチャンネルには商品情報を利用させない」
という管理方法になります。
また、AIチャンネルによって購入方法も異なります。
商品を紹介したあと皆さんのShopifyストアへ移動する場合もあれば、対応しているチャンネルではAIとの会話画面などからそのままチェックアウトへ進む場合もあります。
Shopify Catalogに掲載されれば売上が増える?
Shopify Catalogへ商品が含まれたからといって、自動的に売上が増えるわけではありません。
また、特定の商品がChatGPTなどで必ず紹介される保証もありません。
AI側では、
- 利用者の質問
- 商品情報
- 在庫
- 価格
- 配送条件
- 商品との関連性
- 信頼性に関する情報
など、さまざまな要素をもとに商品を選択すると考えられます。
そのためストア運営者側でできる最も基本的な対策は、Shopifyの商品情報を正確・具体的・最新の状態に保つことです。
これはAI対策以前に、通常の商品ページのコンバージョン改善にもつながります。
まとめ
Shopify Catalogは、Shopifyで販売している商品の情報を構造化し、AIやショッピングサービスが検索・理解しやすくするための商品データ基盤です。
対象条件を満たしている商品であれば基本的に自動で利用されるため、AIサービスごとに新しい商品フィードを作成する必要はありません。
特に重要なのは、
- 商品タイトル
- 商品説明
- 商品カテゴリー
- 商品画像
- バリエーション
- 価格
- 在庫
など、普段Shopifyで管理している商品情報そのものです。
これまで商品情報の入力は「ストアを訪問した人にわかりやすく伝えるため」のものという側面が強くありました。
しかしこれからは、それに加えて、
「AIに商品を正しく理解してもらうための情報」
という役割も持つようになります。
ChatGPTなどを使って商品を探す人が増えていけば、AIから商品を発見してもらえるかどうかも新しい集客経路のひとつになっていく可能性があります。
Shopifyストアを運営しているのであれば、まずは特別なAI対策を始めるよりも、商品タイトルや説明文、カテゴリー、バリエーションなど、既存の商品データを一度見直してみることをおすすめします。






