ツール最新情報
2026年10月15日—Instant Soundtracksが追加されました
こんにちは、Hodaです!
ElevenLabsが2026年10月に、新しいリアルタイム音声AIモデル「Eleven Realtime」を発表しました。
Eleven Realtime は、ユーザーの声を聞いて内容を理解し、その場でAIが考えて音声で返答する「音声エージェント」を構築するためのSpeech to Speechモデルです。
名前だけを見ると「ElevenLabsの音声生成が高速になった機能?」と思うかもしれませんが、実際にはもっと大きなアップデートです。
音声認識、会話のターン判定、LLM、音声生成までを1つのシステムとして最適化しているのがEleven Realtimeの大きな特徴です。
つまり、
ユーザーが話す → AIが聞く → 内容を理解する → 必要ならツールを使う → AIが自然な声で回答する
というリアルタイム音声AIを、以前より簡単に作れるようになりました。
Eleven Realtimeとは?
Eleven Realtimeは、ElevenLabsが提供するリアルタイム音声エージェント向けのモデルシリーズです。
従来、自然なAI音声エージェントを作ろうとすると、複数の技術を組み合わせる必要がありました。
例えば、
- Speech to Textによる音声認識
- VAD(Voice Activity Detection)による発話検出
- ユーザーが話し終わったかを判断するターンテイキング
- 質問に回答するLLM
- Text to Speechによる音声生成
などです。
それぞれ個別にモデルを選択して設定することもできますが、「AIが返事を始めるのが遅い」「ユーザーの発言に被せて話してしまう」「途中で割り込まれたときに不自然になる」といった問題も起こります。
Eleven Realtimeでは、これらを最初から音声会話用の1つのシステムとして最適化しています。
Eleven Realtimeで何ができる?
具体的には、Eleven Realtimeを使うことで次のようなAIを作れます。
AIとリアルタイムで音声会話できる
最も基本的な使い方が、ChatGPTの音声会話のようなリアルタイムAIアシスタントです。
ユーザーがマイクに向かって話すと、その音声を理解してAIが音声で回答します。
単純に「質問→回答」を繰り返すだけではなく、
- 短い相づち
- 会話の間
- ユーザーからの割り込み
- 素早い会話のキャッチボール
なども考慮されています。
そのため、従来の「音声を録音して送信→文字起こし→AI回答→音声生成」という仕組みよりも、人間同士の会話に近い体験を作りやすくなっています。
AI家庭教師や語学学習サービスを作れる
ElevenLabsがv1 Miniの代表的な用途として挙げているのがAI Tutorです。
例えば英会話サービスなら、
「今日は旅行先で使う英会話を練習したい」
とAIに話しかけると、AI講師とそのまま英語で会話できます。
さらに、
- 発音練習
- 質問への回答
- ロールプレイ
- 子ども向け学習
- 面接練習
- プレゼン練習
などにも応用できます。
Eleven Realtimeは90以上の言語に対応しているため、日本語を含む多言語サービスにも利用できます。
ゲームやアプリのAIキャラクターを作れる
ゲームやアプリのキャラクターと、その場で会話する仕組みにも利用できます。
例えばユーザーが、
「この街で武器を買える場所は?」
とNPCに質問すると、そのキャラクターが設定や世界観に沿って音声で回答するといった使い方です。
ElevenLabsには17,000種類以上の音声ライブラリがあり、Realtimeモデルでもこれらの音声を利用できます。
そのため「AIっぽい同じ声」だけではなく、サービスやキャラクターに合わせた音声を選択できます。
AIカスタマーサポートを作れる
Eleven Realtime v1 Maxは、より複雑な業務を行うカスタマーサポートにも向いています。
例えば、
「注文した商品がまだ届かない」
という問い合わせを受けた場合、
- ユーザーから注文番号を聞く
- 注文管理システムを検索する
- 配送状況を確認する
- ユーザーに状況を説明する
といった処理を、会話しながら進められます。
単に質問に回答するだけではなく、Tool Callingを使って外部サービスから情報を取得したり、何らかの操作を実行したりできるのがポイントです。
見込み客のヒアリングを自動化できる
営業分野では、Lead Qualificationにも利用できます。
例えばAIが電話やWeb上で、
「どのようなサービスをお探しですか?」
「会社の規模はどのくらいですか?」
「導入時期はいつ頃を予定していますか?」
と質問し、回答に応じて次の質問を変えていくことができます。
条件を満たした見込み客だけ営業担当者へ引き継ぐ、といった仕組みも考えられます。
電話やWebサイト、WhatsAppでも利用できる
ElevenAgentsから利用する場合は、作成したAIエージェントを複数のチャネルへ展開できます。
例えば、
- Webサイト
- 電話
- コンタクトセンター
- Webウィジェット
などです。
さらにElevenAgents側では、ナレッジベース、Guardrails、テスト、モニタリングなども利用できます。
そのため、実際のカスタマーサポートや電話対応まで含めて構築したい場合には、Realtime APIを直接利用するよりもElevenAgentsから始める方が簡単です。
Eleven Realtime v1 Miniとv1 Maxの違い
Eleven Realtimeには、現在2種類のモデルがあります。
| モデル | Eleven Realtime v1 Mini | Eleven Realtime v1 Max |
|---|---|---|
| 特徴 | 高速で自然な会話 | 高精度・複雑な処理 |
| 向いている用途 | AIアシスタント、教師、キャラクター | カスタマーサポート、営業、業務処理 |
| コスト | 安い | Miniより高い |
| Tool Calling | 対応 | より強い |
| 複雑な推論 | 一般的な会話向け | 強い |
| 会話の自然さ | 非常に高い | 高い |
基本的には、まずv1 Miniから試すとよいでしょう。
ElevenLabs自身も、ほとんどの一般的な用途ではMiniで十分としています。
一方、
- 複雑な指示を理解させたい
- 何段階もの処理を実行したい
- 外部ツールを頻繁に利用する
- 正確性が重要なカスタマーサポート
といった用途ではv1 Maxが向いています。
MiniとMaxの性能を比較
ElevenLabsが公開しているベンチマークでは、モデルごとの得意分野がかなり分かりやすく現れています。
| 項目 | v1 Mini | v1 Max |
|---|---|---|
| Time to First Audio | 620ms | 570ms |
| Big Bench Audio | 75.9% | 98.8% |
| Full-Duplex-Bench | 95.8% | 94.1% |
| Speech Agent Arena Elo | 988 | 998 |
| Tool Use Task Success | 60.3% | 87.1% |
面白いのは、会話そのものの自然さではMiniも非常に強いという点です。
Full-Duplex-Benchは、会話の間、割り込み、ターンテイキング、相づちなどを評価するベンチマークですが、Miniは95.8%を記録しています。
一方で、音声による推論能力を測るBig Bench Audioでは、Maxが98.8%、Miniが75.9%となっています。
さらにTool Callingを利用するタスクの成功率も、
- Mini:60.3%
- Max:87.1%
と大きな差があります。
つまり、
自然に会話するならMini、仕事をさせるならMax
と考えると分かりやすいです。
ElevenAgentsならモデルを選ぶだけ
Eleven Realtimeを最も簡単に利用する方法がElevenAgentsです。
従来のCustomモードでは、
- LLM
- Speech to Text
- Text to Speech
- 推論設定
などを個別に設定できます。
一方、Realtimeモードでは「Eleven Realtime v1 Mini」または「Eleven Realtime v1 Max」を選択すると、主要な音声AI部分をElevenLabs側が管理します。
一方で、
- System Prompt
- 最初のメッセージ
- 音声
- 言語
- Tools
- Knowledge Base
- 会話フロー
- 割り込み設定
などは引き続き設定できます。
つまり、細かなAIモデルの組み合わせを考える必要が減り、エージェントに何をさせるかという部分に集中しやすくなっています。
OpenAI Realtime APIと互換性がある
開発者にとってかなり大きな特徴が、OpenAI Realtime APIとの互換性です。
Eleven RealtimeはOpenAI Realtime APIと同じイベント構造とWebSocket方式を採用しています。
そのため、すでにOpenAI Realtime APIを使ったアプリを開発している場合、SDK自体を別のものへ書き換える必要はありません。
基本的には、
- 接続先エンドポイント
- 使用するモデル
などをElevenLabs向けに変更することで利用できます。
例えばモデルには、
eleven_realtime_v1_mini
または、
eleven_realtime_v1_max
を指定します。
OpenAIのRealtime SDKを利用しながら、音声処理部分をElevenLabsへ切り替えることができるわけです。
これは、すでにOpenAI Realtime APIを使って音声アプリを作っている開発者にとって、かなり試しやすい設計だと思います。
Realtime APIはWebSocket接続
注意したいのが接続方式です。
Eleven Realtime APIは、リリース時点ではWebSocketのみに対応しています。
そのため、OpenAI Realtime APIをWebRTCで利用しているアプリの場合は、そのまま接続先だけ変更することはできず、WebSocketへの変更が必要です。
また、ブラウザから接続する場合には、ElevenLabsのAPIキーを直接フロントエンドへ埋め込むのではなく、バックエンドで短時間のみ有効なClient Secretを発行して利用する仕組みが用意されています。
Realtime APIとElevenAgentsは別物
ここも少し分かりにくいポイントです。
Eleven Realtimeは、
ElevenAgentsから使う方法
と、
Realtime APIを直接使う方法
の2種類があります。
ただし、Realtime APIから接続した場合にElevenAgentsのすべての機能が使えるわけではありません。
例えば、
- 電話
- ナレッジベース
- Guardrails
- テスト
- モニタリング
- コンタクトセンター連携
などを利用したい場合には、最初からElevenAgentsを利用する方が適しています。
一方、自分のWebアプリやサービスの中へ音声AIを直接組み込みたい開発者にはRealtime APIが向いています。
Scribe v2 Realtimeとは何が違う?
ElevenLabsには「Scribe v2 Realtime」というサービスもあるため、名前だけ見ると少し混乱するかもしれません。
Scribe v2 Realtimeは、リアルタイムで音声を文字に変換するSpeech to Textモデルです。
例えば、
「こんにちは」 → 「こんにちは」というテキストをリアルタイムで取得
する用途です。
一方、Eleven Realtimeは、
「こんにちは」→ 内容を理解 → AIが回答を考える →「こんにちは!今日は何をしましょうか?」と音声で返答
するところまで含んでいます。
| サービス | 主な役割 |
|---|---|
| Scribe v2 Realtime | 音声をリアルタイムで文字起こし |
| Eleven Realtime | 音声を理解し、AIが考えて音声で返答 |
| ElevenAgents | Eleven Realtimeなどを使って実運用するエージェント基盤 |
リアルタイム字幕や議事録を作りたいのであればScribe v2 Realtime、AIと会話させたいのであればEleven Realtime、と考えると分かりやすいでしょう。
実は完全な1つのAIモデルではない
「Speech to Speechモデル」と聞くと、入力音声から出力音声までを1つの巨大なAIモデルが直接処理しているようにも聞こえます。
しかし、Eleven Realtimeは完全に一体化されたFused Modelではありません。
内部では、
- Speech Recognition
- Turn Taking
- LLM
- Voice
などのコンポーネントが存在するCascaded Architectureが採用されています。
ただし、これらを個別のサービスとして単純につないでいるのではなく、ElevenLabsが音声会話全体として最適になるように調整しています。
そのため利用者側から見ると、「1つのRealtimeモデルを選択するだけ」というシンプルな形になっています。
Eleven Realtimeのメリット・デメリット
音声認識・LLM・音声生成などを個別に組み合わせる必要がない
割り込みやターンテイキングを含む自然な音声会話を作りやすい
v1 Miniとv1 Maxを用途によって使い分けられる
90以上の言語と17,000種類以上の音声を利用できる
OpenAI Realtime APIと互換性があり既存アプリから移行しやすい
Realtime APIはリリース時点ではWebRTCに対応していない
RealtimeモードではLLMやTTSモデルを自由に組み合わせられない
複雑なTool Callingではv1 Maxが必要になりコストが高くなる
Eleven Realtimeが向いている人
Eleven Realtimeは、特に次のようなサービスを作りたい人に向いています。
- AI音声アシスタント
- AI英会話・教育サービス
- AIキャラクター
- AIカスタマーサポート
- 電話自動応答
- リード獲得・営業ヒアリング
- AI予約受付
- 音声対応のWebアプリ
- 音声対応のSaaS
これまで音声AIを作ろうとすると、Speech to Text、LLM、Text to Speechをそれぞれ選択して接続し、さらに会話のタイミングまで調整する必要がありました。
Eleven Realtimeでは、その複雑な部分をElevenLabs側に任せられるようになっています。
まとめ
Eleven Realtimeは、ElevenLabsが2026年10月に発表したリアルタイム音声エージェント向けの新しいモデルシリーズです。
単純な音声生成モデルではなく、
音声認識 → ターン判定 → LLM → 音声生成
という音声会話に必要な処理を1つのシステムとして最適化しているのが最大の特徴です。
現在は、
- Eleven Realtime v1 Mini:自然で高速な会話向け
- Eleven Realtime v1 Max:複雑な推論やTool Calling向け
の2モデルが用意されています。
特に面白いのは、ElevenAgentsから利用すれば、細かなAIモデルを選択しなくてもRealtimeモデルを選ぶだけで音声エージェントを構築できることです。
さらにOpenAI Realtime APIとの互換性もあるため、すでにリアルタイム音声AIを開発している人にとっても試しやすい選択肢となっています。
「AIに文章を生成させる」だけでなく、AIと自然に話すこと自体をサービスに組み込みたい場合には、今後注目したいElevenLabsの機能です。

Elevenlabs
人間のように自然な音声を生成できる高品質AI音声合成サービス
価格
月額6ドルから
無料プラン
あり
試用・無料枠
毎月10kクレジット
総評





