オートメーションとは何か(基本の考え方)
オートメーションは「特定のきっかけ(トリガー)が起きたら、あらかじめ決めた処理(アクション)を自動で実行する」仕組みです。
AAAが起きたらBBBを実行する
- トリガー:オートメーションのスタート地点。「いつ・誰を」ワークフローに参加させるかを決める条件
- アクション:トリガーの後に続く一連の処理。メール送信、データ更新、待機、条件分岐などを自由に組み合わせられる
たとえば「新規購読したら(トリガー)→ 1時間後に(遅延)→ ウェルカムメールを送る(アクション)」というのが、もっとも基本的なオートメーションの形です。
オートメーションでできること(活用例)
- 新規購読者へのウェルカムメール配信
- アンケート未回答者へのリマインド
- 有料プラン加入者への専用オンボーディング
- ダウングレードした購読者への引き止め(ウィンバック)施策
- 90日間未開封の休眠購読者の整理
- ポッドキャストの新エピソード公開通知
- リファラル(紹介)の達成者への特典案内
- リードマグネット(資料配布など)経由の登録者への自動フォロー
オートメーションを作り始める3つの方法
- 初めての作成:ダッシュボードの「Automations」から「Create your first automation」
- ゼロから作成:「Create automation」→「New automation」で白紙のキャンバスから作成
- テンプレートを使う:あらかじめ用意された「Quick start templates」から選び、「⋯」メニューの「Use template」を選択
テンプレートを使った場合、トリガーは初期状態では非アクティブなので、公開前に有効化とカスタマイズが必要です。
主なテンプレート例
| テンプレート名 | 内容 |
|---|---|
| Welcome email(with re-entry) | 新規購読者へのウェルカムメール。1日後の再登録を許可 |
| Complete survey reminder | ウェルカムアンケート未回答者へのリマインド |
| Paid subscription upgrade welcome email | 有料購読開始者へのウェルカムメール |
| Paid subscription reminder | 無料購読者への有料プラン案内 |
| Paid subscription downgrade retention flow | ダウングレードした購読者への引き止めフロー |
| Re-engagement automation flow(90-day inactivity) | 90日間未エンゲージメントの購読者に3通のメールを送り、その後除外 |
| Lead magnet automation | 特定のランディングページ/フォーム経由の登録に反応 |
| Discord free/paid subscription invite email | Discordサーバーへの招待メール(無料・有料それぞれ) |
| Partner moneymaker | beehiivパートナー報酬の獲得を自動化するテンプレート |
ステップ1:トリガーを選ぶ

トリガーは、オートメーションの一番最初に設定するものです。
- 1つのオートメーションにつき最大3つまでトリガーを設定できる
- 複数のトリガーは「OR条件」になる(いずれか1つを満たせば参加)
- トリガーには任意で条件を追加できる
- トリガーは後から途中に追加することはできない(必ず最初に設定)
トリガーの種類
購読に関するトリガー
| トリガー | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Signed up | 新規購読時に発火 | 新規購読者限定のウェルカムフローに最適(※インポートで追加された購読者は対象外) |
| Email submitted | 任意/特定のフォーム送信時に発火 | 既存購読者も含めてフォーム送信のたびに反応させたい場合 |
| Survey submitted | アンケート回答時に発火 | 回答内容に応じたセグメント分け・フォローアップ |
| Poll submitted | 投票回答時に発火 | 選択内容に応じたコンテンツ出し分け |
| Referral action | 紹介数が一定件数/マイルストーンに到達時に発火 | 紹介してくれた読者への特典付与 |
| Segment action | セグメントへの出入り時に発火 | エンゲージメントなど動的な条件で自動化したい場合 |
有料購読に関するトリガー
| トリガー | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Upgraded | 有料購読の開始時に発火 | 有料オンボーディング、アクセス案内 |
| Downgraded | 有料→無料への変更時に発火 | 引き止めフロー、理由確認 |
| Product purchased | デジタル商品の購入時に発火 | 商品ごとのフォローアップ |
その他のトリガー
| トリガー | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Added by API | API経由での追加時に発火 | 外部ツール連携時 |
| Manual | セグメントから手動で登録。Webサイトビルダーのフォームとリンクさせることも可能 | 実施タイミングを完全にコントロールしたい一斉配信・限定キャンペーン |
| Unengaged | 一定期間開封/クリックがない場合に発火(毎日UTC6時に1回だけ実行) | 休眠読者の整理、到達率の維持 |
| Podcast episode published | ポッドキャストのエピソード公開時に発火 | 新着エピソードの通知 |
ステップ2:アクションを組み立てる
トリガーの下にある「+」アイコンから、処理(アクション)を追加していきます。

メッセージ系アクション
- Send email:そのステップに到達した購読者にメールを送信。テンプレートを選んで本文を編集する。A/Bテストをオンにすると、元のメールに加えて最大3パターンのバリエーションを作成し、配信比率も自由に設定できる(最大4パターン)。購読者はランダムにいずれかへ振り分けられ、成績は通常のメール指標にそのまま反映される
データ系アクション
- Update subscription:購読者のステータス・カスタムフィールド・タグを自動更新。条件を追加してより細かい制御も可能
- Send webhook:外部URLにデータを送信。CRMや分析ツールとの連携に使う
遅延系アクション
- Time delay:分・時間・日単位で一定時間待機してから次のステップへ
- Wait until:購読者がいつ入ってきたかに関わらず、指定した日時まで待機してから次に進む(定刻配信に向く)
フロー制御系アクション
- True/false branch:条件を満たすか満たさないかで2方向に分岐
- Multi-split branch:最大5つの条件付きパスに分岐。上から順に評価され、最初に一致したパスに入る(どのパスにも一致しない場合は「All Others」に入る)
- Random cohort branch:設定した割合(合計100%)でランダムに2〜5パスへ振り分け。A/Bテストや段階的なロールアウト、コントロールグループの作成に便利
- Enroll in automation:購読者を別のオートメーションへ移動させる(移動先のトリガーや条件はスキップされる)
分岐したパスは、すべての処理が終わると1つの合流地点で再び合流します。合流させずにそのパスで終了させたい場合は「Exit automation」ノードを使います。
ステップ3:再登録(リエントリー)設定と名前を付ける

キャンバス上部の鉛筆アイコンから、オートメーション名(必須)と説明(任意)を設定します。あわせて「Allow re-entry?」の設定が必須です。
- No re-entry:一度しか参加できない
- Unlimited re-entry:条件を満たすたびに何度でも参加できる
- Conditional re-entry:条件を満たせば再参加できるが、「最大再参加回数」と「再参加までのクールダウン期間」の設定が必要
ステップ4:公開する
「Publish」をクリックすると、オートメーションが有効になり、条件を満たした購読者から順に参加が始まります。ステータスは「Draft(下書き)」「Live(公開中)」「Inactive(未稼働)」のいずれかで表示され、Inactiveになっている場合はトリガーの有効化や、未設定のステップがないか確認してください。
公開後に内容を編集すると「Unpublished changes」のバッジが表示されます。再度Publishする際は、変更を「すでに参加中の購読者にも適用するか」「これから参加する購読者だけに適用するか」を選べます。準備ができていなければ、変更を破棄することも可能です。
注意 稼働中のステップを編集する前には、そのステップの「Activity」タブを確認し、現在そこで待機している購読者がいないことを確かめてください。待機中に変更すると、購読者がフローの途中で止まってしまうことがあります。
購読者をオートメーションに登録する方法
トリガー任せの自動登録だけでなく、手動での登録方法もいくつか用意されています。
1. 個別の購読者を登録する
- 「Audience」→「Subscribers」から対象の購読者を開く
- プロフィール右上の「Unsubscribe」横の矢印から「Add to automations」を選択
- 登録したいオートメーションを選んで「Enroll」
登録状況は、購読者プロフィールの「Automations」タブから確認できます。
2. セグメントを使って一括登録する(Manual トリガー)
- オートメーション側で「Manual」トリガーを設定(必要に応じて条件も追加)
- 「Audience」→「Segments」でセグメントを作成、または既存のものを使う(一括登録には静的/手動セグメントが向いている)
- セグメントの「Quick export」メニューから「Add to automations」を選び、登録したいオートメーションを選択して「Enroll」
セグメント経由の一括登録は、トリガーの条件を無視してその時点でセグメントに含まれる購読者全員を登録します。将来的にセグメント条件に合致する新規購読者は、自動では追加されません。
3. Segment action トリガーで動的に登録する
「Segment action」トリガーを使うと、購読者がセグメントに出入りするたびに自動でオートメーションに登録されます。ただし、次の点に注意してください。
- 対象になるのは、オートメーションが有効化された後にセグメントへ出入りした購読者のみ
- オートメーション作成時点ですでにそのセグメントに入っている購読者は、自動では登録されない(初回は上記の一括登録の手順で手動追加する必要がある)
- セグメントの出入りはリアルタイムではなく、セグメントの再計算タイミングで反映される
4. 別のオートメーションから移動させる(Enroll in Automation)
「Enroll in Automation」アクションを使うと、あるワークフローの購読者を別のワークフローへそのまま移動させられます。ウェルカムシリーズが終わったら教育コンテンツの配信に移す、といった多段階の設計に便利です。移動先はLive状態のオートメーションのみ選択できます。
5. Webサイトのフォームと連携させる
Webサイトビルダー内のネイティブな購読フォームブロックは、Manualトリガーと直接リンクできます。リンクしておけば、そのフォームから登録した購読者(新規・既存を問わず)が自動でオートメーションに参加します。埋め込み型のフォームには対応していません。
よくある質問
オートメーションを作ったのに誰も登録されません。なぜですか?
Manualトリガーを使っている場合、購読者は自動では登録されません(Webサイトビルダーのフォームとリンクしている場合を除く)。プロフィールからの個別登録か、セグメントを使った一括登録が必要です。
同じ購読者を同じオートメーションに複数回登録できますか?
基本的には同時に1回のみです。すでに完了・参加中の場合、再登録の設定(re-entry)を許可していない限り再登録されません。
手動で登録すると、オートメーションは最初からやり直しになりますか?
はい。いつ登録されたかに関わらず、手動登録は常に最初のステップから開始されます。
複数のオートメーションに同時に登録できますか?
できます。個別登録・セグメント一括登録のどちらでも、登録時に複数のオートメーションを選択可能です。
セグメントを使った一括登録は、将来そのセグメントに入る新規購読者にも適用されますか?
されません。その時点でセグメントに含まれている購読者のみが対象です。将来の新規該当者には、再度登録操作を行うか、トリガー型(Segment actionなど)のオートメーションを使う必要があります。
個別登録と一括登録、どちらを使うべきですか?
多くの購読者をまとめて登録したい場合や、過去に遡って適用したい場合は一括登録が向いています。単発の対応やテストには個別登録が適しています。
稼働中のオートメーションにステップを追加した場合、既存の参加者にも反映されますか?
すでにオートメーションを完了した購読者(その時点で最後のメールまで受け取った購読者)には反映されません。まだ進行中の購読者や、これから新規に参加する購読者にのみ、追加したステップが適用されます。
作成したオートメーションをテンプレートとして保存できますか?
できます。「Publish」横の「⋯」メニューから「Save as template」を選択すれば、以後いつでも再利用できます。同じメニューから複製・削除も可能です。
まとめ
トリガー(最大3つ・OR条件)とアクションの組み合わせで、かなり複雑なフローも柔軟に構築できる
Multi-split/Random cohort branchなど、条件分岐やA/Bテストの選択肢が豊富
Quick start templateが揃っているため、ゼロから設計しなくても定番フローをすぐ使い始められる
Manualトリガーや Segment action トリガーの挙動(自動登録されない/既存メンバーは対象外など)が直感的でなく、初回はつまずきやすい
稼働中のオートメーションを編集する際は、Activityタブでの事前確認など気を付けるべき手順がある




