Wispr FlowのStyles(スタイル) は、音声入力した文章のトーンや表現を、使用しているアプリに合わせて自動調整する機能です。
たとえば、メールでは丁寧でフォーマルな文章にし、家族や友人へのメッセージでは、自然でカジュアルな文章にできます。
Wispr Flowが音声入力先のアプリを判別し、あらかじめ設定したスタイルを自動的に適用してくれるため、アプリを切り替えるたびに文章のトーンを手動で変更する必要がありません。

Stylesは、Mac、Windows、iOS、Android版のWispr Flowで利用できます。
ただし、現時点では英語の音声入力でのみ利用可能です。対応しているのは、アメリカ英語、イギリス英語、カナダ英語です。
また、Stylesは段階的に提供されているため、アプリを最新版にしていても、まだ画面に表示されない場合があります。
Wispr FlowのStylesとは?
Stylesは、Wispr Flowで音声入力した文章の雰囲気を、用途に合わせて変更する機能です。

一般的な音声入力では、話した内容がそのまま文章になります。
一方、Stylesを利用すると、話した内容をもとに、次のような要素が調整されます。
- 文章の丁寧さ
- 言葉遣い
- 文末表現
- 感情の強さ
- カジュアルさ
- ビジネス向けの表現
たとえば、同じ内容を話しても、設定したスタイルによって出力される文章が変わります。
Formalの例
Thank you for your message. I will review the details and get back to you shortly.
Casualの例
Thanks for the message. I’ll take a look and get back to you soon.
話している内容そのものを変更するのではなく、使用する場面に適した文章へ整えてくれる機能と考えると分かりやすいでしょう。
アプリの種類ごとにスタイルを設定できる
Wispr Flowでは、アプリを4つのカテゴリーに分けて、それぞれ異なるスタイルを設定できます。
- Personal messages
- Work messages
- Other
たとえば、次のように設定できます。
| アプリカテゴリー | 設定例 |
|---|---|
| Personal messages | Very Casual |
| Work messages | Casual |
| Formal | |
| Other | Formal |
このように設定しておくと、メールではフォーマルな文章が作成され、個人的なチャットでは、よりくだけた文章が作成されます。
Personal messages
Personal messagesは、家族や友人との個人的なメッセージに使用されるカテゴリーです。
主に次のようなアプリが対象になります。
- Telegram
- Signal
- Messenger
- Discord
Personalでは、Formal、Casual、Very Casualなどのスタイルを利用できます。
友人や家族とのメッセージでは、Very Casualを選択することで、堅すぎない自然な文章を作りやすくなります。
Work messages
Work messagesは、社内チャットや業務上のコミュニケーションに使用されるカテゴリーです。
主に次のようなアプリが含まれます。
- Slack
- Microsoft Teams
- Zoom
- Notion
- Jira
- Google Docs
社内のメッセージでは、CasualまたはFormalを選択すると、親しみやすさを保ちながら、仕事向けの文章に整えられます。
Emailは、メールサービスやメールアプリで使用されるカテゴリーです。
主な対象は次のとおりです。
- Gmail
- Outlook
- ProtonMail
- 各サービスのWeb版
メールでは、Formalを設定することで、丁寧でビジネス向けの文章を作成できます。
少し親しみやすいメールにしたい場合はCasual、強い感情や熱意を表現したい場合はExcitedも利用できます。
Other
Otherは、Personal、Work、Emailのいずれにも分類されないアプリで使用されます。
どのカテゴリーにも当てはまらないアプリでは、Otherに設定したスタイルが適用されます。
アプリの分類が不明な場合に備えて、Otherにも無難なFormalまたはCasualを設定しておくとよいでしょう。
利用できるスタイル
Wispr Flowでは、主に4つのスタイルが用意されています。
Formal
Formalは、丁寧でビジネス向けの文章を作成するスタイルです。
すべてのアプリカテゴリーで利用できます。
次のような用途に向いています。
- ビジネスメール
- 顧客への返信
- 取引先との連絡
- 正式な案内
- 社内文書
Casual
Casualは、丁寧さを保ちながら、少し親しみやすい文章を作成するスタイルです。
すべてのカテゴリーで利用できます。
次のような場面に適しています。
- 社内チャット
- 同僚への連絡
- 親しい顧客へのメール
- 日常的なメッセージ
Very Casual
Very Casualは、よりくだけた自然な文章を作成するスタイルです。
このスタイルを利用できるのは、Personalカテゴリーのみです。
友人や家族とのチャットなど、堅い表現を避けたい場面に向いています。
EmailやWorkなどのカテゴリーでは選択できません。
Excited
Excitedは、明るさや熱意を強調した文章を作成するスタイルです。
次のカテゴリーで利用できます。
- Work
- Other
新商品の案内、良いニュースの共有、イベントへの招待など、前向きな感情を伝えたい場合に役立ちます。
Personalカテゴリーでは利用できません。
初期設定されているスタイル
初期状態で設定されるスタイルは、使用している端末によって異なります。
iOS・Android
- Personal:Casual
- Work:Formal
- Email:Formal
- Other:Formal
Mac・Windows
Mac・Windows版では、スタイルを選択するまでは、すべてのカテゴリーがFormalに設定されています。
ただし、Stylesを利用するには、最初にパーソナライズ設定を完了する必要があります。
Mac・WindowsでStylesを設定する方法
MacまたはWindows版では、次の手順で設定します。
- Wispr Flowを開く
- 左側メニューの「Styles」をクリックする
- 設定したいカテゴリーを選択する
- 使用したいスタイルカードをクリックする
- 対象カテゴリーのアプリで音声入力を試す
- 選択したスタイルで文章が作成されるか確認する
選択できるカテゴリーは次のとおりです。
- Personal messages
- Work messages
- Other
各スタイルカードには、適用後の文章例が表示されます。
設定前にプレビューを確認できるため、自分の用途に合ったスタイルを選びやすくなっています。
「Make Flow sound like you」が表示される場合
Mac・Windows版でStylesを開いたときに、スタイルカードではなく、次の案内が表示される場合があります。
Make Flow sound like you
これは、Wispr Flowの文章スタイルを設定するためのパーソナライズ案内です。
「Start now」をクリックして初期設定を完了すると、カテゴリータブとスタイルカードが表示されるようになります。
Androidでは、各カテゴリーのページやホーム画面に同様の案内カードが表示されることがあります。
iOSでStylesを設定する方法
iPhoneでは、次の手順でスタイルを設定します。
- Wispr Flowを開く
- 画面下部の「Styles」をタップする
- 画面上部からカテゴリーを選ぶ
- 使用したいスタイルカードをタップする
- 対象のアプリで新しく音声入力する
- スタイルが反映されているか確認する
iOSでは、次のカテゴリー名が表示されます。
- Personal
- Work
- Other
iOS版のカテゴリー別設定は段階的に提供されているため、ユーザーによっては、カテゴリータブではなく、1つのスタイルだけを選択する画面が表示される場合があります。
iOSで一時的にスタイルを変更する方法
iOSでは、保存されているスタイルを変更せず、現在の音声入力だけ別のスタイルに切り替えられます。
Wispr Flowのキーボードには、現在使用中のスタイルを示すボタンが表示されます。
- キーボード上のスタイルボタンをタップする
- 一覧から一時的に使用したいスタイルを選ぶ
- 音声入力を開始する
- 選択したスタイルで文章が作成されるか確認する
現在選択されているスタイルには、チェックマークが表示されます。
この変更は、現在の音声入力セッションにのみ適用されます。
カテゴリーごとに保存されているスタイル設定は変更されません。
なお、スタイルボタンは、Wispr Flowが録音中または文章を処理している間は利用できません。
AndroidでStyleを設定する方法
Androidでは、画面下部のメニューに「Style」と単数形で表示されます。
Mac、Windows、iOSでは「Styles」と複数形になっているため、表記の違いに注意してください。
設定手順は次のとおりです。
- Wispr Flowを開く
- 画面下部の「Style」をタップする
- 上部のカテゴリー選択から対象を選ぶ
- 使用したいスタイルカードをタップする
- 画面下部に表示される設定パネルを確認する
- 「Save」をタップする
- 対象のアプリで音声入力を試す
Androidでは、カテゴリーを左右にスワイプして切り替えることもできます。
AndroidではSaveが必要
Android版では、スタイルを選んだだけでは設定が保存されません。
必ず、画面下部に表示される「Save」をタップしてください。
Saveを押さずに別の画面へ移動すると、変更内容は破棄されます。
Flowはどのようにアプリを分類する?
Wispr Flowは、音声入力しているアプリを自動的に判定し、Personal、Email、Work、Otherのいずれかに分類します。
複数のカテゴリーに該当する可能性がある場合は、次の順番で優先されます。
- Personal Messaging
- Work Messaging
- Other
たとえば、メール機能と業務機能の両方を持つアプリでも、メールアプリとして認識された場合は、Emailのスタイルが優先されます。
iOSで一時的なスタイル変更を設定している場合は、アプリカテゴリーの設定よりも、一時変更したスタイルが優先されます。
Stylesは既存の文章にも適用される?
Stylesが適用されるのは、設定変更後に新しく行った音声入力だけです。
すでに入力済みの文章が、自動的に別のスタイルへ変更されることはありません。
スタイルを変更したあとは、対象カテゴリーのアプリで新しい文章を音声入力して確認してください。
自分の文章を学習させるWriting Examples
Wispr Flowでは、プリセットのスタイルを選ぶだけでなく、自分が普段書いている文章を登録して、より自分らしい表現を学習させることもできます。
この機能は「Writing Examples」と呼ばれ、Polish機能のプロンプト設定内から利用します。
Writing Examplesを登録する方法
- Wispr Flowを開く
- 「Polish」ページを開く
- 設定したいPolishプロンプトを開く
- 「Writing Examples」を開く
- 自分の文章例を追加する
- 必要に応じて複数のサンプルを追加する
Writing Examplesは、次のプロンプトに追加できます。
- Custom Prompt
- Prompt Engineer
1つのプロンプトにつき、最大5件まで文章例を登録できます。
各文章例は、50〜500単語である必要があります。
Custom PromptでWriting Examplesを使う際の注意
Custom Promptでは、次の項目を設定したあとにWriting Examplesが表示されます。
- プロンプト名
- ショートカット
- 指示内容
これらを設定していない状態では、Writing Examplesを追加できません。
一方、Prompt Engineerでは、最初からWriting Examplesを利用できます。
StylesとWriting Examplesの違い
StylesとWriting Examplesは、どちらも出力される文章の雰囲気を調整する機能ですが、役割が異なります。
| 項目 | Styles | Writing Examples |
|---|---|---|
| 目的 | 全体的なトーンを選ぶ | 自分の文章表現を学習させる |
| 設定内容 | FormalやCasualなど | 自分で書いた文章例 |
| 適用単位 | アプリカテゴリー | 特定のPolishプロンプト |
| 調整範囲 | 丁寧さやカジュアルさ | 言葉遣いや個人の書き方 |
| 設定の手軽さ | スタイルを選ぶだけ | 文章例を用意する必要がある |
Stylesは、文章の大まかなトーンを決める機能です。
Writing Examplesは、そこからさらに、自分特有の言葉遣いや文章構成へ近づけるための機能です。
たとえば、StylesでFormalを選び、Writing Examplesに自分の過去のメールを登録することで、丁寧さを保ちながら、自分らしいビジネスメールに近づけられます。
Writing Examplesとプロンプトの関係
Writing Examplesは、追加したPolishプロンプトと紐づいて保存されます。
Custom Promptの名前を変更した場合は、Writing Examplesも新しい名前のプロンプトへ引き継がれます。
ただし、Custom Promptを削除した場合、そのプロンプトに登録していたWriting Examplesも削除されます。
Wispr Flowの設定全体をリセットした場合も、カスタムプロンプトに紐づく文章例は削除されます。
標準のPolishプロンプトに追加したWriting Examplesは、カスタムプロンプトを削除しても影響を受けません。
プライバシーモードとWriting Examples
プライバシーモードを有効にしている場合、Writing Examplesは端末内に保存され、Wispr Flowのサーバーにはアップロードされません。
そのため、ほかの端末には同期されません。
複数端末でWriting Examplesを同期したい場合は、プライバシーモードを無効にする必要があります。
EnterpriseプランでZero Data Retentionが有効になっている場合は、Writing Examplesは端末内にも保存されません。
スタイル設定は端末間で同期される?
Stylesの設定は、同じアカウントでログインしている端末間で自動的に同期されます。
スタイルの変更はすぐに送信され、ほかの端末では次回の同期時に反映されます。
すぐに反映させたい場合は、Wispr Flowを再起動します。
複数の端末で同時に設定を変更した場合は、最後に保存した端末の設定が優先されます。
スタイルが反映されない場合
スタイルを変更しても文章が変わらない場合は、次の点を確認します。
- 新しい音声入力でテストしているか
- 対象のアプリカテゴリーを変更しているか
- 初期パーソナライズ設定を完了しているか
- 選択言語に英語が含まれているか
- Wispr Flowが最新版になっているか
- AndroidではSaveを押したか
- アプリが正しいカテゴリーとして認識されているか
Stylesは、設定変更前に作成した文章には適用されません。
必ず、新しい音声入力で動作を確認してください。
Stylesが表示されない場合
Stylesが表示されない場合は、まずWispr Flowで選択している言語を確認します。
Stylesを利用するには、少なくとも1つ、次の英語が選択されている必要があります。
- English(US)
- English(British)
- English(Canadian)
英語が1つも選択されていない場合、Stylesタブは表示されません。
英語を選択しているにもかかわらず表示されない場合は、Wispr Flowを最新版へ更新してください。
各端末では、次の場所を確認します。
- Mac・Windows:左側メニューの「Styles」
- iOS:画面下部の「Styles」
- Android:画面下部の「Style」
iOSやAndroidでは段階的に提供されているため、アカウントによってはまだ利用できない可能性があります。
Very Casualがメールで選べない場合
Very Casualは、Personalカテゴリー専用のスタイルです。
Emailでは利用できません。
メールで選択できるのは、次のスタイルです。
- Formal
- Casual
- Excited
よりくだけたメールを作成したい場合は、Casualを使用してください。
iOSで一時変更したスタイルが戻る場合
iOSのキーボードから選択したスタイルは、一時的な変更です。
現在の音声入力セッションが終了すると、カテゴリーごとに保存されているスタイルへ戻ります。
これは不具合ではなく、一時変更機能の正常な動作です。
保存されているスタイル自体を変更したい場合は、Wispr FlowのStylesページから設定してください。
Writing Examplesが同期されない場合
Writing Examplesがほかの端末に表示されない場合は、プライバシーモードを確認してください。
プライバシーモードが有効な場合、文章例は端末内だけに保存されます。
同期したい場合は、Settingsからプライバシーモードを無効にしてください。
利用上の注意点
Wispr FlowのStylesには、次の制限があります。
- 英語でのみ利用できる
- 対応言語はアメリカ、イギリス、カナダ英語
- 初期設定を完了するまで適用されない
- iOSとAndroidでは段階的に提供されている
- iOSでは録音中や処理中に一時スタイルを変更できない
- AndroidではSaveを押すまで設定が反映されない
- Androidのアプリ自動判定は段階的に提供されている
- Writing Examplesは1つのプロンプトにつき最大5件
- Writing Examplesは1件あたり50〜500単語
- プライバシーモードではWriting Examplesが同期されない
- 複数端末で設定が競合した場合は最後の保存内容が優先される
Android版では、Stylesの画面下部に、英語でのみ利用できることを知らせる案内が常に表示されます。
Stylesのおすすめ設定例
用途に迷った場合は、まず次の設定から始めるとよいでしょう。
| カテゴリー | おすすめスタイル |
|---|---|
| Personal | Very Casual |
| Work | Casual |
| Formal | |
| Other | Formal |
社内でも丁寧なコミュニケーションが求められる場合は、WorkもFormalに変更します。
営業やマーケティングで、明るく熱意のある文章を作りたい場合は、EmailまたはWorkでExcitedを試してもよいでしょう。
まとめ
Wispr FlowのStylesは、音声入力した文章のトーンを、使用しているアプリに合わせて自動調整する機能です。
Personal、Work、Email、Otherの4カテゴリーに、それぞれ異なるスタイルを設定できます。
利用できる主なスタイルは次のとおりです。
- Formal
- Casual
- Very Casual
- Excited
メールではFormal、社内チャットではCasual、個人的なメッセージではVery Casualといった使い分けができます。
さらにWriting Examplesを登録すれば、プリセットのトーンだけでなく、自分の普段の言葉遣いや文章構成に近づけることも可能です。
ただし、Stylesは現時点では英語専用です。日本語でWispr Flowを使用している場合は、Stylesタブが表示されない、または設定しても日本語に適用されない点に注意してください。






